杉浦悠太が初出場で日本一!新時代到来の予感 蟬川に圧倒されてから2年 重圧はねのけ完全Vで15年ぶりの偉業だ

 「男子ゴルフ・日本プロ選手権・最終日」(7日、富士C可児C志野C=パー72)

 首位から出た杉浦悠太(22)=フリー=が3バーディー、3ボギーの72で回り、通算18アンダーで初日から首位を守って完全優勝を果たした。昨年11月にアマチュア優勝を果たしたダンロップ・フェニックス以来の2勝目で、プロ転向後の初タイトル。同大会初出場初優勝は、日本勢では09年大会の池田勇太以来、15年ぶりの記録となった。2打差の2位から逆転を狙った蟬川泰果は71と伸ばし切れず、稲森佑貴と並んで1打差の2位と惜敗した。

 冷静な選択が、杉浦にプロ日本一という称号をもたらした。2位と2打差で迎えた最終18番。最後の最後に大ピンチが訪れた。ティーショットは左バンカーにつかまり、3打目で花道までもっていくのが精いっぱいだった。ダブルボギーならプレーオフ、それ以上はV逸。残り12ヤードの4打目はウエッジかパターか、究極の二択だった。

 「このゴルフ場は(グリーンが)手前から落ちるホールがいくつもある。毎回アプローチでいっても、うまくいかなかったからパターだなと」。自分を信じて打った絶妙なパターでの寄せは1メートルにピタリ。ミスの許されないウイニングパットを沈めてプロ初優勝を決め、コースのお隣・地元愛知県を中心とした応援団から大歓声を浴びた。

 蟬川とのマッチレースは重苦しい雰囲気の中で進んだ。「いつ追いつかれてもおかしくない」という重圧が降りかかる。3日間良かったパターも決まらず、7番は2メートルを外してボギー。9番パー4はティーショットを左に曲げて隣の18番に打ち込んだ。ただ、この窮地を3オン2パットのボギーにとどめると、ここから自身のプレーを取り戻して逃げ切り。4日間、一度も首位を譲ることがない完全Vだった。

 蟬川が優勝した22年10月の日本オープン選手権では、3日目に同組となりそのプレーに圧倒された。「この人には勝てないな」と思ったほど。当時は力が及ばなかった1学年上の先輩に勝利。「そんな選手に競り勝って優勝できて良かった」と胸を張った。

 賞金ランキングは8位から2位に浮上。首位の桂川は欧州ツアー参戦中のため、賞金王に最も近い存在になった。国内の5年シードも手に入れ、「海外に行きたいと思っているので複数年シードはうれしい」。賞金ランク上位3人に与えられる欧州ツアー参戦権も視界に入り、杉浦の夢は広がるばかりだ。

 ◆杉浦悠太(すぎうら・ゆうた)2001年9月12日、愛知県出身。4歳の時にシングルプレーヤーを目指していた父の博倫さんに練習場へ連れられ、ゴルフを始めた。福井工大福井高2年時に日本ジュニア選手権優勝。19年からナショナルチーム入りし、20年に日大へ進学した。23年9月に下部のABEMAツアーで優勝すると、11月のレギュラーツアー・ダンロップ・フェニックスで史上7人目のアマチュア優勝を果たして、即プロ転向宣言した。本紙制定の23年度ホワイトベア・スポーツ賞を受賞。172センチ、74キロ。

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