古江彩佳 涙のメジャー初制覇 18番イーグル締め逆転「ありえないくらいうれしい」 日本勢戦友ウオーターシャワーで祝福
「米女子ゴルフ・エビアン選手権・最終日」(14日、エビアン・リゾートGC=パー71)
トップから1打差の2位から出た古江彩佳(24)=富士通=が65で回り、通算19アンダーで逆転優勝。メジャー初制覇を果たした。日本女子のメジャー制覇は1977年全米女子プロ選手権の樋口久子、2019年全英女子オープンの渋野日向子、21、24年の全米女子オープン選手権を制した笹生優花に続いて4人目。男子は21年に松山英樹がマスターズ・トーナメントで勝った。今大会は米国と欧州の両ツアー共催で、古江は22年スコットランド・オープン以来のツアー2勝目となった。
最後まで分からない激闘の末に、古江が世界を制した。日本女子4人目の海外メジャー制覇の偉業。キリアクーらと並んで迎えた最終18番パー5、2オンに成功し、決めれば優勝のイーグルパットをきっちりと沈め、右手を高々と突き上げた。
首位と1打差の2位から出た最終日は、劣勢な状況が続いた。2、3番はショットが好調で連続バーディーを奪い、首位タイに浮上したが、4番で3パットのボギー。先頭集団から一歩後退し、12番でボギーをたたくと首位との差が3打差に広がった。
それでも、最後まで集中力は切らしていなかった。14番から再び火が付き3連続バーディー。18番のキリアクーとの一騎打ちを制すと、込み上げる涙をぬぐった。グリーン脇で見守っていた勝や山下ら日本勢の戦友から、祝福のウオーターシャワーを浴びせられ、歓喜の輪が広がる。ホールアウト後のインタビューでは「ありえないくらいうれしいです」と喜びを爆発させた古江。「本当に15番まですごく我慢のゴルフ。最後まで自分を信じてやれたことが、最後に上げていけたかなと思います」と激闘を振り返った。最後のイーグルパットについては「プレーオフにしたくなかったので、入ってくれてラッキーだった」と抜群の勝負強さを発揮した。
6月中旬のパリ五輪代表争いでは、世界ランキング日本勢3番手で落選。国を背負った戦いに加われなかった無念を吹き飛ばすように、五輪が行われるフランスで世界最高峰のタイトルを手にした。
◇古江彩佳(ふるえ・あやか)2000年5月27日、神戸市出身。3歳でゴルフを始め、長田中3年時の15年に全国中学校選手権で優勝。16年に進学した滝川二高では安田祐香と同級生となる。17、18年にはナショナルチームに選出。19年10月の富士通レディースで史上7人目のアマチュア優勝を果たし、プロ転向を宣言。統合シーズンの20~21年は6勝を挙げ、22年から米女子ツアーに本格参戦している。好きな歌手は浜崎あゆみ。153センチ。