天本ハルカ 師匠・伊沢利光が制したゆかりの地で好発進 ボギーなし68「4日間自分のゴルフを」

 「女子ゴルフ・ソニー日本女子プロ選手権・第1日」(5日、かねひで喜瀬CC=パー72)

 今季1勝の天本ハルカ(26)=明治安田=が4バーディー、ボギーなしの68で回り、首位と4打差の6位とまずまずの好発進を決めた。会場のかねひで喜瀬CCは07年に行われた日本プロ選手権で、師匠の伊沢利光が優勝している。夏場以降は右手首の故障もあって調子を落としたが、縁のあるコースで師弟でのプロ日本一を狙う。今季5勝の竹田麗央が64のビッグスコアで回って首位。1打差の2位にペ・ソンウが続いた。

 日本一の師弟へ、天本がいい滑り出しを見せた。師匠は01、03年賞金王の伊沢利光で「伊沢さんのアドバイスと、私の考えをしっかりまとめながら回った」。好アプローチを見せた12番でバーディーを奪うと、難関の13番も2打目を1・2メートルにつけるなど要所で好プレーを見せた。

 17年前、師匠は今戦っているコースでプロ日本一になった。かねひで喜瀬CCで開催された07年の男子メジャー・日本プロ選手権を制覇。クラブハウスのレストランには当時の記念品が飾ってあるそうだ。開幕前に天本は「あのショーケースの隣に(記念品を)並ぼうぜ」と電話越しにエールをもらった。

 コース実績のある師匠から受ける助言やゲキは、いつもより心強さがあったはずだ。だが、それだけじゃない。伊沢は2週前のシニアツアーで5年ぶりの復活Vを飾ったばかり。「伊沢さんもこの前優勝しましたし、師匠からすごく良い刺激を受けた」と背中を押された。

 今季は4月のパナソニック・オープンで初V。念願のツアー優勝を飾ったが、7月以降は右手首の痛みに悩まされた。練習の強度も抑えざるを得ず「最近はシンプルにスイングができない」。直近5戦で2度の予選落ちと調子は下降線をたどり、前週は体調不良も重なって2日目に棄権した。

 発奮材料も多いが、メジャーを迎える中で不安材料もある。それでも、10年以上続く師弟関係に最高の結果で応えたい。「無理せず4日間自分のゴルフを貫けるように」と積み上げてきたものを生かして、師匠の希望通り喜瀬のクラブハウスに日本一の師弟となった証しを残す。

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