古江彩佳「95点」の単独首位発進 難コース攻略に笑顔 史上3人目の日米両メジャー制覇へ突き進む
「女子ゴルフ・日本女子オープン選手権・第1日」(26日、大利根CC=パー72)
古江彩佳(24)=富士通=が8バーディー、1ボギーの65をマークし、単独首位で発進した。父の助言で調子を上げ、大会史上最長距離の難コースも、飛距離全盛の米女子ツアーの経験を生かして攻略。1977年の樋口久子、2019年の渋野日向子に続く、史上3人目の日米両ツアーでのメジャー制覇を狙う。3打差の2位に山下美夢有と、アマチュアの新垣くらら(沖縄・エナジックスポーツ高)。昨年大会を制した原英莉花は70の11位につけた。
古江が“ゾーン”に入った。それも、日本女子4人目の海外メジャー制覇となった7月のエビアン選手権以上だという。最も長いバーディーパットでも3メートルで、8バーディーのうち3つが60センチ以内。ベタピンショットを放つたびにどよめくギャラリーをよそ目に、レーティング80超えの超難コースを攻略し「(百点満点の)95点」と、いつものニコニコ顔でうなずいた。
65で回った圧巻のラウンドの始まりは、3オン2パットのボギーから。最悪の出だしだったが「逆に集中できた」と、かえってエンジンがかかった。続く2番はフェアウエーバンカーから2打目を30センチにつけて、すぐさまバウンスバック。尻上がりに後半は怒濤(どとう)の勢いで5バーディーを奪った。
百戦錬磨ぶりに磨きがかかる。大会史上最長の6845ヤードで生きたのは、パワーゴルフの米女子ツアー参戦3年で培った経験値。「感覚的には(海外メジャー第1戦の)シェブロンくらい。長さは日本にいた時より経験できている」。2打目以降は長い番手を強いられてもチャンスを量産した。
そんな数々のショットでギャラリーを沸かせたが、ほんの2週前まで調子はいまひとつだった。修正できたのは、二人三脚で歩んできた父でコーチの芳浩さんのおかげ。自身も気づかなかった、左向きになりがちだった構えを父は見抜いていた。大会に出場しなかった前週の地元・神戸での練習で悪癖を解消し、気持ち良く今週へ送り出してくれた。
海外メジャーを優勝し、次に狙いを定めるのは日本のタイトル。「明日も落ち着いて自分のことができれば」と古江。日米両ツアーのメジャー制覇は、樋口と渋野しか達成していない偉業へマイペースに突き進む。