山下美夢有 古江彩佳とのプレーオフ死闘制した 3年連続年間女王へ「意味がある1勝」
「女子ゴルフ・富士通レディース・最終日」(13日、東急セブンハンドレッド=パー72)
山下美夢有(23)=加賀電子=が2打差6位から8バーディー、2ボギーの66と伸ばし、通算14アンダーで並んだ古江彩佳とのプレーオフを制して今季初勝利を挙げた。昨年11月以来のツアー通算12勝目。2打差3位は岩井明愛らで、竹田麗央は10位。今季国内初戦の馬場咲希は14位だった。
スピーチで声が詰まった。手を伸ばせば、すぐそこにありそうなのに届かなかった優勝。昨季まで2年連続年間女王の山下は「2位で終わった時もずっと応援し、励ましてくれたファンのみなさん、両親…、いろいろなことが浮かんできていました。やっと恩返しができたな、って思ったら…」と込み上げてくるものがあった。ウイニングパットを沈めた瞬間の思いを「最高!それしかなかったです。やっぱり優勝って違うなと実感した」と口にした。
首位の古江らに2打差で迎えた最終日。11番までに7バーディーを奪って単独首位に立ったが、13、14番で連続ボギー。16番のバーディーで盛り返し、最終18番では絶体絶命に見えたピンチから13メートルのパーパットを沈め、66で上がった。「入れるしかなかったので」。集中力と勇気の宿った一打だった。
プレーオフの1ホール目はともにボギー。2ホール目、フェアウエーのど真ん中から山下らしい第2打がグリーンを捉え、パーをセーブして今季初優勝が決まった。「今日もまだショットの感じは60点。でも、本当に意味がある1勝だと思う。(ポイントランキング1位の)竹田麗央ちゃんは本当に素晴らしい選手だと思っているけど、私は私のプレーをして、残り試合でも上位で戦えるようにと思っている」
竹田とのポイント差は約700から約540へ縮まった。シーズン終了後には米ツアー参戦が懸かるテストへの挑戦も控えるが、残り6戦、女王の座をそう簡単に明け渡すつもりはない。