上田桃子 “ラストラウンド”予選落ちも万感の思い「プロゴルファーをやってきて良かった」

 「女子ゴルフ・大王製紙エリエール・レディース・第2日」(15日、エリエールGC松山=パー71)

 今季限りでツアー撤退を表明している上田桃子(38)=ZOZO=が、2005年から20年間続いたツアー生活に一区切りをつけた。90位から出て4バーディー、3ボギーの70で回り、通算4オーバーの88位で予選落ち。ポイントランキングでのツアー最終戦出場はならなかったが、万感の思いを込めて最後のラウンドを回った。通算出場450試合、日米通算17勝、生涯獲得賞金は歴代6位と一時代を築き、多くのファンや仲間に慕われながら、ツアーに別れを告げた。65をマークし、通算12アンダーとした山下美夢有が単独首位。

 20年間のツアー生活に一区切りを付ける“ラストラウンド”。上田は最終18番のグリーンを前に、多くのギャラリーや先輩、後輩プロたちから温かい拍手で迎えられると、万感の思いが胸に込み上げた。

 「自分がやりたいことを一生懸命やってきただけなので、応援してもらえるというのは本当にありがたいなと。ただ、やりたいことを精いっぱいやったら、こういう景色も見られるんだ」

 カットラインが遠く、予選通過は厳しい状況で迎えた2日目も「今日で最後。絶対出し切るぞ」と力を振り絞った。17番パー5では、衰えていない飛距離で2オンに成功したが、イーグルパットを外して「最後くらいは取りたかった」と苦笑い。プロとして結果を求めてきた上田らしかった。

 2005年のプロテスト合格から、07年には5勝を挙げて当時史上最年少の21歳156日で賞金女王に輝いた。米女子ツアーにも挑戦し、30代後半に差しかかっても第一線で活躍。「精いっぱいうまくなろう、強くなろうと毎日考えてきた」と、どこまでもゴルフに向き合う姿を憧れ、慕うファンも仲間も多かった。

 試合後はセレモニーが行われた。後輩たちから花束や記念品を贈られるまで笑顔を浮かべていた上田だったが、マイクを持つと涙が止まらなかった。「たくさんきついこともあったけど、プロゴルファーをやってきて良かった」と振り返った。

 ツアープロはこれでいったん“卒業”になる。戦いの場から離れても「やっぱりゴルフがうまくなりたい気持ちは消えない」と言い切った。上田にとって、ゴルフは人生のかけがえのないものであることに変わりはない。

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