桑木志帆 メジャー初V 歓喜のフラワーシャワー 小祝の猛追かわし完全優勝「自分信じてやりきれた」
「女子ゴルフ・ツアー選手権リコー杯・最終日」(24日、宮崎CC=パー72)
2位と3打差の単独首位から出た桑木志帆(21)=大和ハウス工業=が3バーディー、3ボギーの72で回り、通算12アンダーで初日から首位を守る完全優勝でメジャー初制覇を飾った。序盤からボギー先行で苦しい展開を強いられるも、積み上げた実績で自身を信じ、堂々逃げ切りを果たした。68の追い上げを見せた小祝さくらが1打差の2位。佐久間朱莉、鈴木愛が3位に続き、2位から出た竹田麗央は74とスコアを落として5位。大会3連覇を狙った山下美夢有は6位に終わった。
苦しい戦いを耐え抜いて、桑木の頭上には祝福の花が舞った。初日から首位を譲ることなく迎えた最終日は、完全Vで自身初のメジャー優勝。「すごく恥ずかしかった(笑)」と歓喜のフラワーシャワーを照れくさそうに浴びた。
2位と3打差のリードを持っても簡単ではなかった。3日目に感触の悪さが残ったショットは朝の練習でも改善できず、出球が右に出る傾向が強く出た。出だしの1番からいきなり3オン2パットのボギー発進。続く2番は3メートルのパーパットを沈めて最悪は回避したが、3番で二つ目のボギーを喫すると、もたつく間に猛追してきた小祝が首位に並んできた。
それでも、心にはまだ落ち着きがあった。「(スタート時に)3打差あったのでボギーが二つ来ても大丈夫」。6番でバーディーを奪い、しっくりこなかったドライバーショットは7番で修正に成功。同ホールを4メートル、続く8番は3メートルを沈めて3連続バーディー。再び優勝争いから抜け出した。
積み重ねてきた実績が桑木の心を強くした。最終戦を前に初優勝を含む2勝を挙げ、不調の週でも上位を争いトップ10は今季17度。「今週は最後まで手が震えることがなく、自分を信じてやりきれた」と自身の底力を信頼できるようになった。
竹田や山下、岩井姉妹らの米ツアー挑戦で、勢力図の大きな変化が予想される来季。初の年間女王も期待される21歳は「自分が(ツアーを)引っ張っていきたいけど、一年で調子が変わることもある。新しい一年と思って頑張りたい」。ツアーの中心として自覚と責任感を込める姿がさらなる飛躍を予感させた。