「女子ゴルフ・大東建託いい部屋ネット・レディース・最終日」（２７日、ザ・クイーンズヒルＧＣ＝パー７２）

　渡辺彩香（３１）＝大東建託＝が３年２カ月ぶりの復活優勝を飾った。首位と２打差の７位から６４の猛チャージで通算１７アンダーに伸ばし、逆転でツアー通算６勝目。主催会社の所属プロとしての重責も果たした。首位からスタートし、史上７人目のママさん優勝が懸かっていた一ノ瀬優希（３６）＝フリー＝は７１と伸ばし切れず７位だった。

　「これまでの５勝は自信満々で勝てた。今週は自信があまりなかった。やれることだけをやり続けて勝つのは今までなかった」。かつては２７０ヤード超の豪快なドライバーショットを武器にした渡辺。しかし、１カ月前からドライバーが不調で、この日もドライバーを握ったのは３度だけ。１イーグル、６バーディーのホールは全て第１打に３番ウッドを使った。

　逆転のプレーは圧巻だった。６番パー５では、上って最後に少し右へ曲がる難しいラインだった１０メートルのイーグルパットを最後の一転がりで沈めた。上がり２ホールは連続バーディー。首位タイで迎えた１７番パー５は残り２３２ヤードの第２打を、グリーン左のマウンドに当てて２オン。１８番で２メートルのバーディーパットを決めると、拳をつくった右手を２度振り上げた。

　２０２１年に柔道家の小林悠輔さんと結婚した。「勝ったら一緒に喜んでくれる人が家にいる」。勝てなかったこの３年間は、試合に出ないことも考えた。今は早く、夫に優勝を伝えたい。