毎日が新しい経験、あっという間の1年
最終戦のLPGAツアー選手権リコーカップでシーズンが終わりました。本当にいろいろなことがあった1年でした。夢だった初優勝ができて、2勝目も挙げられて。7月には全英リコー女子オープンの最終予選を経験して大きな刺激を受けて。でも後半戦は少しうまくいかなくて…。いい時も悪い時もあり、いろいろな感情を抱きながら、すごく充実した1年を過ごせました。
去年は試合に出たり出られなかったりでしたが、今年は試合を重ねられたことで「来週はこうしてみよう」と毎週課題を整理しながら1週間ずつを過ごすことができました。平均パットで10位に入れたのも、試合に出続けて試行錯誤できたからこそ、距離感やラインの読み方が成長したのかなと思います。
振り返れば今季4試合目で初優勝できたことが大きかったです。ずっと夢だったことが実現したのですが、そこから「もう1回勝とう」と思えましたし、実際6月のアース・モンダミンカップで2勝目ができました。
最終日の14番パー5で残り68ヤードからチップインイーグルを決めた場面は、やっぱり印象深いですね。ツアー最少ストローク記録に挑戦できるチャンスだと意識してプレーして、通算21アンダーの新記録を出せたのも、すごくうれしい思い出です。
ただ、それはもう終わったことです。私にとって「3勝目をしたい」と思って、うまくいかなかったことも頭に残っています。最後の方は技術、気持ち、体力のバランスがバラバラでした。
毎週調子がいい選手はいません。森田理香子さん、横峯さくらさんらトップ選手は調子が良くても悪くても、スコアをまとめてきました。ラウンドしながら修正する技術、気持ちの切り替え方、精神力も含めた体力。強い選手はそこが違います。
毎日が新しい経験で、あっという間の1年でした。この連載も最終回ですが、ファンの方に「読んでいるよ」と声を掛けられたり、新聞にサインしたこともあったり、すごく楽しかったです。3ツアーズまであと2週は試合があります。もう少し頑張って、オフは地元の友達とゆっくり過ごしたいなと思ってます。(おわり)
堀奈津佳(ほり・なつか)1992年7月6日、徳島市出身。10歳でゴルフを始め、中学2年から江連忠ゴルフアカデミーで腕を磨く。2011年にプロテスト合格。今年はQT35位の資格で開幕から出場し、4戦目のアクサレディースでツアー初優勝。159センチ、50キロ。血液型A。切れ味鋭いアイアンショットとパッティングが武器。サマンサタバサ所属。