いろんな自分に会えた…特別な試合で収穫
先週の日本女子オープンはメジャーの中でも最も歴史のある大会で、どんな選手にとっても「特別」な試合だと思います。もちろん、私にとってもとても大事な試合で“あること”を心に誓って臨みました。
私がテーマにしたのは「受け入れること」でした。パーが取れなくても、ボギーを打っても「受け入れる」のです。それがゴルフ、それが日本女子オープン-と知ったのは、高校3年の時に出た、アマチュアの私にとって“最初で最後の”日本女子オープン(2010年第43回大会=茨城・大利根CC)でした。
その試合、私は最終日に、アマチュアではトップのイーブンパーでスタートしましたが、79を打って通算7オーバー(19位タイ)。同ストロークになった米国のダニエル・カーン選手とのプレーオフ1ホール目に私はボギー。カーンさんはパーで、ローアマチュアのタイトルを手にすることはできませんでした。
私はプロになって、今年が2度目の大会出場。昨年は通算14オーバーで38位。順位のことは気にしていません。ゴルフを戦う上で、いかに「受け入れること」が大切かを、この1年間、自分なりにテーマとして掲げてやってきたので、自分の成長を確かめる意味の試合でした。私は感情の起伏があって、切り替えることが苦手だったからです。
どんなショットを打っても、どんなミスをしても「自分のミスを受け入れて、自分と向き合うこと」を心がけました。初日は2ホール目にトリプルボギーをたたきましたが、その後6つのバーディーを奪いました。3日目を終わって8オーバー。ティーショットがものすごく曲がって、苦しみました。去年までの私なら耐えられなかったと思います。
でも最終日、69を出して12位まで挽回しました。でも、まだまだ完全ではありません。成長を感じられた部分と足りないなと思った部分…。いろんな自分に出会えました。結果よりも、それを自分自身で身にしみて感じられたことが、この秋の収穫だと思います。
堀奈津佳(ほり・なつか)1992年7月6日、徳島市出身。10歳でゴルフを始め、中学2年から江連忠ゴルフアカデミーで腕を磨く。2011年にプロテスト合格。今年はQT35位の資格で開幕から出場し、4戦目のアクサレディースでツアー初優勝。159センチ、50キロ。血液型A。切れ味鋭いアイアンショットとパッティングが武器。サマンサタバサ所属。