マキロイ&ファウラーが醍醐味魅せた

 優勝し、トロフィーを掲げるリッキー・ファウラー=TPCソーグラス(共同)
2枚

 2週連続でテレビにくぎ付けになった。元々、ゴルフはマッチプレーから始まったと言われていますが、まさに毎ホール、プレーオフのサドンデスマッチが見られるのですから楽しいばかり。

 マッチプレーはほとんどのプレーヤーが良いスコアで回ります。なぜ?って1ホールごとの勝負だから、勝つしかない。通常のストロークプレーと大きく違う試合になるのです。相手がピンそば50センチにつけていたら、20メートルのパットやチップ&ランはカップに沈めるしかないわけで、このような時にショートするようでは情けない!もちろん、攻めまくるだけが勝利に結びつくのではなく、相手のショットを見ながら自分の攻め方を考える、非常に刺激的なゲームでもあるのです。

 不思議なことに相手が調子に乗ってくると自分が落ち、良いショットを見せつけると相手がミスをするというシーソーゲームになります。ですから、マッチプレーはどちらが先に打つか!が重要になり、その結果で相手にプレッシャーをかけることがポイントです。

 ワールドマッチプレーは今年から新方式になり、大いに楽しめました。確かに以前はランキングの高い人気者が初日で姿を消すことが多々あり、最終日の決勝戦では観客も少なく寂しい感じがありました。1回だけの試合では本当の実力が出ないのも事実ですが、ランキング1位と64位は平均ストローク69・433と70・968で、その差わずか1・535。ましてや、ランキング下のプレーヤーは、負けて当然!と全力で挑戦してきますから誰が勝ち残るか予想のつかないゲームでした。

 が、今年から、4人のグループ16組がグループリーグ戦を行い1人が勝ち残り、16人のトーナメントへ勝ち進みます。とても良い方式になったと思います。松山英樹も順調に勝ち進み、ロリー・マキロイと対戦。そこで敗れたけれど、松山はマッチプレーは強いはずです。プレーオフに強い選手はマッチにも強い!今後も楽しみにしています。

 予想通りに勝ち残る選手も多く、もちろん番狂わせもありで楽しめました。さすがに、マキロイはほとんどダメかなと思った試合で、相手が短いパットを外してから流れが変わりました。22ホール目でマキロイが勝ちましたが、あのあきらめないしぶとさが世界1位の強さです。

 さて、次のプレーヤーズチャンピオンシップ。今年はまれに見る興奮のプレーオフでした。リッキー・ファウラーの後半の信じられない追い上げで、18番ホール、4メートル余りのバーディーパットをプレッシャーの中で沈めてプレーオフ。しかも彼は今までに18番ホールでバーディーを取ったことがなかった!

 それから、あのプレーヤーズの名物17番(パー3)、最終日のピンポジションは難関中の難関な場所。妥協せず、ピン狙うのみで3回連続バーディー、キャーキャーです。攻めて、攻めて…と勝負師リッキーが一番素敵に見えた最終日のプレーオフに、文句なしの拍手喝さい!

 石川遼8位の立派な成績、松山も安定。やはり2人そろって参戦が理想のPGAツアーになりました。今後の試合に注目しましょう!(USLPGAインストラクター・今井貞美)

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