朝ドラ主演俳優が自宅で首つり自殺 死の直前、意味深ブログ
NHKの朝ドラ「凛凛と」に主演し、TBS系昼ドラ「温泉へ行こう」ではヒロインを支えるイケメン支配人役を演じた俳優・田中実さんが2011年4月25日、自宅マンションで首を吊り、自殺した。44歳。まじめな人柄で知られた。死の2週間前に投稿された最後のブログには「下を向いて考える時はどこか気持ちが沈んでいるような…(中略)空を見上げて考え続けたい」などと、何かに悩んでいるかのような記述があった。
【2011年4月26日のデイリースポーツ紙面より】
俳優・田中実さん(44)が、25日に東京・大田区の自宅マンションで首をつって死んでいたことが26日、警視庁池上署などへの調べで明らかになった。同署は自殺とみて調べている。
田中さんは高校卒業後に仲代達矢さん主宰の無名塾に入塾。1990年、NHK朝の連続テレビ小説「凛凛と」に主演し、さわやかな好青年ぶりが人気となり、ドラマ、映画などで活躍していた。まじめな性格で知られ、近年は精神的に不安定だったと証言する関係者もいる。
44歳。あまりにも急ぎすぎる死だった。
池上署と所属事務所によれば、田中さんは25日、午前11時30分から2時間ドラマの撮影の仕事が入っていたが、現場に現れず、心配したマネジャーと田中さんの母親が自宅に駆けつけたところ、窓についた落下防止用の鉄格子にマフラーをかけて首をつり、座った状態の田中さんを発見した。部屋着姿で、すでに意識はなかったという。
すぐに母親が119番通報し、午後3時すぎに都内の病院に救急搬送されたが、同4時20分ごろ、死亡が確認された。
いつも30分前に仕事現場に到着している田中さんが姿を見せなかったため、マネジャーは、田中さんの自宅や携帯電話に連絡をしたが、応答はなし。田中さんの妻に電話したが、仕事中だったため、妻が自宅近くに住む田中さんの母親に連絡し、駆けつけたマネジャーとともに自宅に入った。妻は午前10時前に外出していた。
救急車の搬送を目撃した近所の住民によると、田中さんの足は紫色で血の気がなく、救急車に同乗する妻とみられる女性が泣きわめく声が響いていたという。
親しい関係者は田中さんについて「非常にまじめな好青年。人当たりもよく、真っ正直な男」と口をそろえる。自殺の動機は明らかになっていないが、一方で「まじめすぎて人に何かを相談できなかったのかも」「何かを思い詰めていたのかも」と話す人もいた。
まじめすぎる田中さんは精神的に落ち込むことがあったと証言する芸能関係者も。「2年ほど前に会ったときは、精神的に不安定で、明らかに様子がおかしかった。夫婦関係の悩みをポロリとこぼしていた」という。
所属事務所によると、最近は2時間ドラマなどの仕事が多く、スケジュールは半年先まで決まっていた。4月からは毎週水曜日に後輩の演技レッスンを行っており、20日にも“先生“役を担当したばかりだった。
私生活では93年に結婚した2歳年上の一般女性との間に高校生の長男、中学生の長女がいた。遺書などは見つかっていないが、池上署は自殺とみて動機などを調べている。