小沢新党 また離脱者 衆院37人除籍

 民主党は3日、常任幹事会を開き、消費税増税法案の衆院採決で反対し離党届を提出した小沢一郎元代表ら衆院37人を除籍(除名)処分とする方針を決めた。同調した参院12人については、まだ参院で採決されていないとして離党を承認する形にした。一方、小沢氏と支持グループ幹部は、来週にも結成する新党の党首に小沢氏が就く方針を確認したが、水野智彦衆院議員は離党届の撤回を執行部に申し出て認められ、瑞慶覧長敏議員も新党には参加せず無所属で活動する意向を表明。“前途多難”の雲行きになってきた。

 小沢氏と支持グループ幹部はこの日、近く結成する“小沢新党”の党首に小沢氏が就く方針を確認したが、早くも離脱者が相次いでいる。前日は離党届に含まれていた衆院議員40人のうち、小沢氏側近だった辻恵、階猛の両氏が離党しないことを明言。さらに、水野、瑞慶覧の両氏が離脱して当初、衆院40人だったはずが現状で36人に目減りしてしまった。

 民主党が常任幹事会で方針を決めた処分は、衆院採決で反対した57人と棄権した15人の計72人が対象。小沢氏らが目指す新党結成を「反党行為」と判断し、37人を最も重い除名処分とした。

 反対した57人のうち除名にならないのは20人で、党にとどまる鳩山由紀夫元首相は党員資格停止6カ月とし、衆院採決前に離党届を提出していた平智之衆院議員を除く18人は同2カ月とした。平氏の離党は承認された。除名と党員資格停止に関しては党倫理委員会に諮問し、答申を経て正式決定する。

 関連3法案の採決で棄権した12人は常任幹事会名による厳重注意、増税法案の採決のみ棄権した3人は幹事長名による注意にとどめた。首相は3日、処分方針決定について「党の規律を回復し、早急に態勢を立て直さねばならないという判断の下で考えた」と記者団に強調した。

 鳩山氏は処分により9月の党代表選で投票資格を失う。輿石東幹事長は常任幹事会で「元首相、元代表という地位と責任に鑑み判断した」と説明。小沢氏の新党をめぐっては、党名や主要政策を小沢氏に一任。結成時期は事務的な手続きがあり、来週にずれ込む可能性がある。

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