桑名正博危篤…家族が文枝が奇跡信じる
15日未明に脳幹出血で倒れ、危篤状態にあるミュージシャンの桑名正博(58)は倒れてから一夜明けた16日も依然、意識が回復していない。入院先の大阪市内の病院には、新名跡襲名披露前の友人・桂三枝=現・文枝=(69)や、ミュージシャン仲間の上田正樹(63)、50年来の親交がある奈良・薬師寺の村上太胤執事長(65)ら、友人が駆けつけ、病床の桑名に呼び掛けた。長男でミュージシャンの美勇士=みゅうじ=(31)によれば、桑名の顔色は15日時点より幾分よくなっているといい、家族や友人らは、奇跡を信じ、懸命の励ましを続けている。
過去の臨床例からは劇的回復は望めず、医師から家族に厳しい見通しも伝えられていた。だが美勇士ら家族は、生後8カ月の初孫・音衣ちゃんを桑名に抱かせるなど懸命に励まし続け、桑名の気力に訴えかけた。
病院に大勢の報道陣が詰めかける中、この日も病室では長男の美勇士ら家族が桑名に付き添った。美勇士は、依然意識はないものの、桑名の顔色がよくなったことを明かし「1%でも可能性があるなら希望を持ちたい。見舞いの方々が訪れると病室は楽屋のようににぎやかです」と父が戻ってくることを信じた。
午前中には、夜に文枝襲名披露公演を控えた桂三枝が駆けつけたほか、歌手・香西かおり(48)、桑名が幼少時代に体験入門で修行して以来50年の親交がある奈良・薬師寺の村上執事長もお札を届けに訪れた。
夕方に長年のミュージシャン仲間の上田正樹が訪れた際には、桑名の心拍数があがり、家族は眠ったままでも声が届いていることを喜んだそう。上田は「手を握ると温かかった。あいつにここで止まってもらっちゃ困る」と言葉に力を込めた。また、文枝となった三枝は襲名披露後の会見で「僕も襲名披露を精いっぱいやりきったので、何とかマサやんも頑張ってほしい。ホンマにええ男なんです…」と言葉を振りしぼりエールを送った。
17日には同じく長年の友人で家族ぐるみの親交がある内田裕也(72)が見舞いに訪れる予定で、美勇士も「スピリットな会話ができる人ですから」と、父親の魂に響く会話を期待した。家族、友人、ファン…多くの人が祈りながら桑名が目覚めるのを待っている‐。