田中邦衛絶叫!地井武男さんお別れの会
今年6月29日に心不全で亡くなった俳優・地井武男さん(享年70)のお別れの会が6日、東京・港区の青山葬儀所で営まれ、渡哲也(70)、志村けん(62)、水谷豊(60)ら親交のあった友人、関係者約800人が別れを惜しんだ。フジテレビ系ドラマ「北の国から」で22年にわたり、地井さんと共演した俳優・田中邦衛(79)は「会いたいよ、ちぃニィ会いたいよ!」と感情のままに絶叫。心の底から絞り出した言葉に、周囲からすすり泣きが漏れた。
「会いたいよ、ちぃニィ、会いたいよ!」‐。長きにわたり、北の国から友情をはぐくんできた“盟友”との別れに、田中はこみ上げた言葉をそのまま吐き出した。
北海道・富良野を舞台に1981年10月から始まったドラマ「北の国から」で同級生役を演じ、私生活でも親交を深めてきた。田中は昨秋、自宅で地井さんの訪問を受けていたことを明かし、「何度言われてもまだ信じられないよ。あれは別れに来たのか?(今年)4月には電話もくれた。手紙もくれた。ごめんな」と、ひまわりの花で埋め尽くされた祭壇で微笑む地井さんの遺影に語りかけた。
さらに地井さんとの忘れられないエピソードに2002年放送の「北の国から 遺言」での地井さんの演技を挙げ、「すさまじい心情が表れてた」と振り返った。それは地井さん演じる中畑和夫が、「女房のがんが再発した」と告白するシーン。実生活で地井さんは、前妻をがんで亡くしたばかりで、こぼれる大粒の涙をぬぐうことなく見せたこん身の演技が、当時も話題になった。
傍らで田中を支えていた俳優・吉岡秀隆(41)や、女優・中嶋朋子(41)、俳優・岩城滉一(61)ら「北の‐」の共演者たちも、田中が地井さんにささげた魂のこもった一つ一つの言葉には目頭を押さえた。
ドラマで夫婦役だった研ナオコ(59)は「人の面倒ばかりみて、そのまま逝っちゃって。笑顔が見られないのが悔しい」と涙。その早すぎる別れを惜しむ声が、テレビ朝日系「ちい散歩」などでのぞかせていた人情味あふれる地井さんの人柄をうかがわせていた。