トニー・スコット監督、飛び降り自殺
トム・クルーズをスターダムに押し上げた映画「トップガン」(1986年)などを手掛けた映画監督のトニー・スコット氏が19日、米・ロサンゼルスにあるビンセント・トーマス橋から飛び降り、死亡した。68歳だった。AP通信など現地メディアが報じた。橋の上に止められた車の中から遺書が見つかっており、自殺と見られる。トニー・スコット監督は、今秋公開の東日本大震災関連ドキュメンタリー映画に携わるなどしており、世界中に衝撃が広がっている。
トニー・スコット監督は19日午後0時30分ごろ、米カリフォルニア州ロサンゼルス市サンペドロにあるビンセント・トーマス橋のフェンスを乗り越え、飛び降りた。複数の目撃者によれば、「ためらいはない様子だった」という。ソナーを使った捜索の結果、午後4時半ごろ、遺体が引き揚げられた。沿岸警備隊は、近くに駐車されていた監督の車(黒のプリウス)の車内から遺書が見つかったと発表した。
トニー・スコット監督は44年英国生まれで、「エイリアン」の監督、リドリー・スコット氏(74)は実兄。トム・クルーズを主役に起用し、世界的にヒットした86年の米映画「トップガン」のほか、「ビバリーヒルズ・コップ2」(87年)、「デイズ・オブ・サンダー」(90年)、「トゥルー・ロマンス」(93年)の監督も務めた。
トニー監督は、兄・リドリー監督とともにフジテレビ製作で、東日本大震災から1年後の今年3月11日の映像記録を集約するドキュメンタリー映画「Japan in a Day」(11月劇場公開予定)に携わっていた。フジテレビは「突然のことでとても残念に思います」と死去を悼んだが、「映画製作には支障がないと考えています」とした。
監督が自殺したビンセント・トーマス橋は、橋からのぞめる景色が美しいことに加え、カーブや急坂があり、「60セカンズ」「チャーリーズ・エンジェル」などのアクション映画が撮影されたことでも知られるつり橋。