あっちゃん「最高の7年間」笑顔で卒業
アイドルグループ・AKB48の前田敦子(21)が27日、東京・秋葉原のAKB48劇場で最後の劇場公演を行い、AKBを卒業した。05年12月8日の劇場初公演からグループを引っ張ってきた“不動のセンター”は、約3時間のステージで完全燃焼。14歳から青春時代を過ごしてきた思い出の秋葉原に別れを告げた。
あふれそうになる涙を必死にこらえた。2454日間にわたるAKBメンバーとしての最後の日。汗と涙が染みこんだステージ上で、250人のファンに「長かったのか短かったのか分かりませんが、最高の7年間でした」と笑顔であいさつ。会場は割れんばかりの「あっちゃん」コールに包まれた。
“最後のセンター”として18曲を披露した。第1期の同期生、高橋みなみや選抜総選挙で1位の座を争った大島優子(23)ら中心メンバー13人からお別れのメッセージを受けた。大島が「ここまでAKBを背負ってくれてありがとうございました」とねぎらうと、前田は最後まで笑顔で応え続けた。
草創期からグループを支えてきた。AKBの顔の重圧にもさらされた前田に変化が訪れたのが09年の選抜総選挙。1位を獲得し、「任された」センターから、「選ばれた」センターへと認められ、「AKBに自分の人生を捧(ささ)げます」と宣言した。過密スケジュールにあっても、ステージでは疲れた顔を見せずに、立ち居振る舞いで「センター」としての生きざまを見せてきた。
その姿は後輩メンバーたちへと受け継がれた。次期エース候補の松井珠理奈(15)は、「本当に尊敬してます」と涙を流し、大島は「『AKBはまだまだ、これからだよ』って言ってくれるから頑張れる。また、お互い切磋琢磨(せっさたくま)してやっていけるかなと思ってます」と、新しい“顔”としての決意を表した。
初めて劇場を訪れた時には、「ブルーシートがいっぱいで木材もあって、ここから私たちはどう始まるんだろう」と思ったという。それから6年半、前田を中心にAKBは国民的アイドルグループへと成長した。
「私にはもったいないくらいの幸せでした」‐。“絶対的エース”が笑顔で秋葉原のステージを去った。