アキバ全体“卒業式場化”PVに1500人

 前田敦子(21)がAKB48から巣立った27日、グループの本拠地である東京・秋葉原は、町全体が卒業ムードに包まれた。AKB48カフェ&ショップの店頭では、屋外パブリックビューイング(PV)が急きょ開催され、ファン1500人以上が殺到。メモリアルグッズの販売会場には早朝からファンが並び、JR秋葉原駅周辺には前田のポスターやステージ衣装が展示され、町を挙げて絶対エースを華やかに送り出した。

 前田が青春を注いだ秋葉原の夜空に、「あっちゃん」コールが響き渡った。JR秋葉原駅に隣接するAKB48カフェ&ショップの店頭で急きょ開催された屋外PV。ファンはコンサート会場さながらに、サイリウムや写真入りうちわを揺らし、絶対エースのラストステージに熱視線を注いだ。

 競争率916倍となったAKB48劇場チケットや同カフェでの250席分のPVチケットが、手に入らなかったファンが、卒業公演の開演直前、店に殺到した。店側の計らいで、店頭に設置されている46インチテレビ4個分の大きさのモニターに、公演が生中継され、屋外PVが実現した。

 ファンのみならず、帰宅中のサラリーマンも足を止め、小さな画面の前には鈴なりの人だかり。近くの歩道橋の上にまで人があふれ、その数は1500人にふくれ上がった。昭和20~30年代、プロレスを中継した街頭テレビをほうふつとさせる風景で、平成生まれの国民的アイドルが、伝説のレスラーである力道山と、期せずして肩を並べる形に。

 東京都大田区の会社員、藤田英治さん(36)は、卒業記念のTシャツ姿で「あっちゃんファンなので、どうしても近くにいたかった。本人は泣かずに前向きだったので、これからも応援しようと思えました」と興奮気味に話した。

 屋外PVの会場とAKB48劇場の距離は、わずか400メートル。アキバの町を包み込んだファンの声援と温かな思いは前田の胸に届いたに違いない。

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