市川染五郎は打撲…幸四郎「ほっとした」
27日夜に歌舞伎俳優・市川染五郎(39)が舞台の奈落に転落してケガを負ったことを受け、松竹と松本幸四郎事務所は28日未明、染五郎は右側頭部および右半身の打撲を負ったことを発表した。染五郎の父・松本幸四郎(70)は「思ったほどケガが重くなく、ほっとしております」とコメントした。染五郎が出演予定だった28日の日本舞踊「松鸚会」(しょうおうかい)公演は延期、「秀山祭九月大歌舞伎」は休演が決まった。
舞台で踊っていた染五郎が突然3メートル下の奈落に転落するという衝撃の事故。ケガの程度が心配されたが、検査結果は「右側頭部および右半身の打撲」と比較的軽いものだった。染五郎は現在、都内の病院で治療中で、精密検査が終わっていないため、現時点では全快までのめどは立っていないという。
父・幸四郎は「皆さまには大変ご心配をおかけ致しまして、誠に申し訳ございません。思ったほど怪我が重くなく、ほっとしております」とコメントを発表した。自身の古希(70歳)を祝う舞踊会での事故だっただけに、胸をなで下ろしたようだ。
また、転落事故は踊っていた染五郎が誤って足を踏み外したのが原因とみられることが分かった。松本幸四郎事務所などが明らかにした。事故が起きたのは、共演者がセリ(昇降装置)から退場した後。セリが下がったままの状態になっており、染五郎も自身の後方に大きな“穴”が開いていることは認識していたという。
染五郎が松本錦升の名前で家元を務める日本舞踊松本流の舞踊会「第十回松鸚会」は28日も予定されていたが、公演の延期を決定した。関係者は当初、代役での上演も検討したが、やはり家元不在では不可能と判断した。
また、染五郎は、新橋演舞場9月公演「秀山祭九月大歌舞伎」を休演することも決まった。同公演の「寺子屋」で染五郎が演じる予定だった松王丸を中村吉右衛門(68)が、武部源蔵を中村梅玉(66)がそれぞれ演じる。「時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)」の織田春永は中村歌六(61)が務める。