高倉健、拍手喝采5分間…感激の涙

 俳優・高倉健(81)が2日(日本時間3日)、カナダで開催されている「第36回モントリオール世界映画祭」で行われた主演映画「あなたへ」の公式上映に出席した。1994年の「ベネチア国際映画祭」以来18年ぶりとなった海外映画祭では、上映後に約5分間のスタンディングオベーションを受け「映画祭は良いものだね」と涙も見せた。また、北野武監督(65)はイタリアでの「第69回ベネチア国際映画祭」で「アウトレイジ ビヨンド」(10月6日公開)の公式上映に出席した。

 モントリオールの観客の惜しみない拍手に“世界のタカクラ”が涙を見せた。ワールドコンペティション部門に出品された「あなたへ」の公式上映が終わると、「日本的な内面の感情表現がとても美しい」、「タカクラが81歳とは信じられない」と、客は約5分間スタンディングオベーションを続け、日本を代表する名優をたたえた。異国の地での温かい反応に、高倉は手を合わせながら頭を下げ、ハンカチで目元をぬぐった。

 海外映画祭への参加は、1994年に「四十七人の刺客」で出席した「ベネチア国際映画祭」以来、18年ぶり。上映前の公式会見では「映画祭に出るのは好きではありません」と明言したが、同じ劇場で観客と感動を分かち合うと、気持ちは180度変わった。「ふと(涙が)出てしまいました。映画祭って良いものだね。何十年も役者をやってきても、こんな経験をするんですね。心に衝撃を受けました」と素直に喜んでいた。

 参加したのは13年前のお礼のためだった。「鉄道員」(99年)で日本人初のモントリオール映画祭最優秀男優賞を獲得したが、授賞式は欠席。公式会見では「どこか(のタイミング)でお礼がしたかった」と得意の英語も交えてアピールしていた。

 2度目の男優賞の獲得もあるのか、各賞が発表される注目の授賞式は3日(日本時間4日)に行われる。

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