尾崎豊さんJr.そっくり…父の名曲生熱唱
1992年に亡くなった歌手の尾崎豊さん(享年26)の長男で慶大4年生の尾崎裕哉さん(23)が6日、東京・ラフォーレミュージアム原宿で7日から始まる「尾崎豊特別展 OZAKI20」の内覧会で、父の代表曲「僕が僕であるために」をギターの弾き語りで熱唱した。
報道陣の前に初めて姿を見せた裕哉さんだが、父そっくりのルックスと歌声には、尾崎さんのプロデューサーだった須藤晃氏(60)も「ゾクッとした」と心をふるわせた。
父の写真に囲まれ、母・繁美さんが見守る中、愛息が響かせた歌声に、会場にいただれもが「尾崎がよみがえった」と心を揺らされた‐。
須藤氏に紹介されて登場した裕哉さんは、父をほうふつさせる白のTシャツ、黒のワイシャツにジーンズ姿でアコースティックギターを抱え登場。会場を見回し「不思議な気持ちがしますね」と微笑すると、静かにギターをかき鳴らし、マイクに向かって語りかけるように歌いだした。
スラリとした立ち姿と涼しげなまなざし。何より野性味と物憂げな伸びやかな歌声は父そのものだった。2歳の時に父を亡くしたが、その遺伝子は受け継がれていた。
豊さんの熱烈ファンでゲスト出演した脳科学者の茂木健一郎氏は「本当に本人じゃないのか。奇跡が起きたんじゃないのか」と興奮を隠しきれず、今イベントを企画した須藤氏は「似てる似てないを超えてゾクッとした。特別な感慨がある」と声を震わせた。
裕哉さんは、これまで豊さんのトリビュートアルバムに参加し、今夏にはフジロックフェスティバルで初ライブに挑戦するなど、音楽活動を行ってきたが、報道陣の前で歌唱するのは初めて。インターFMでラジオ番組を持つが、今後は慶大大学院へ進学し、環境や社会問題を、音楽で解決する方法を研究するという。須藤氏は「歌手としてやっていくかは分からないが、音楽をクリエートしていくだろう」と才能に太鼓判を押した。
同展は、7日から今月19日まで開催され、尾崎さんの写真60点のほか、使用したピアノや机、譜面など思い出の品を約400点展示する。