コブクロ涙の復活ライブ 5万人が歓声
人気男性デュオ・コブクロが9日、大阪・万博記念公園で、今年4月の活動再開後初となる「復活ライブ」を行った。闘病生活からステージに帰ってきたギター&ボーカルの小渕健太郎(35)が「ただいま!」と声を張り上げると、野外広場に集まった5万人が「おかえり!」の大歓声で迎えた。最後はボーカル・黒田俊介(35)も涙声になる中、「流星」など全12曲を披露。14年前にコブクロが始動した原点の地・大阪で、支えてくれたファンに感謝の思いを込めた歌を届けた。
夕暮れのステージが感動に包まれた。手をつなぎ合った5万人のファンと、最後はバラード曲「ココロの羽」を大合唱。客席の中に飛び込み、駆け抜けるうちに、小渕と黒田の歌声は涙で途切れた。
「ごめん、きょうは絶対に泣かないと決めてるから。そういう時ってあるやん…」。アンコール前、必死の笑顔でマイクを握ったギター&ボーカルの小渕だったが、“約束”は守れなかった。
小渕は昨夏、高音域の声を出しづらい「発声時頸部(けいぶ)ジストニア」で半年の療養が必要と診断された。黒田も腰痛とノドの治療のため休養を決断。昨年8月28日の全国ツアー最終公演で、コブクロの活動休止を発表した。
ファンと会えなかった闘病生活を振り返った小渕は「最初は何をしていいかも分からなかったけど…。待ってくれてるみんながいたから、ひとりでは登れない坂も登れました」と感謝した。隣には、腰に手をあてて、必死で涙をこらえる黒田の姿があった。
今年4月に活動再開し、復活ライブの地に選んだのが原点の地・大阪だった。下積み時代をストリートライブでスタートした2人は、再出発も野外でフリーライブに近い形式を選んだ。
序盤から温かい雰囲気に包まれた。感慨深そうに復活ライブを楽しむ小渕に対し、黒田が「次、暑いと言ったら、そのベスト脱がすぞ」とツッコミ。会場から笑いが起こった。大観衆からの熱い視線を浴び続けた2人は「轍」「流星」など全12曲で完全燃焼。感動を分かち合った小渕は叫んだ。「コブクロが!コブクロが!コブクロが帰ってきました!」‐。