東京・虎党の声「後進に道、よかった」
阪神・金本知憲外野手(44)が涙の引退会見を行った12日、東京、大阪…全国のタイガースファンにショックが広がった。都内のトラ党が集まる居酒屋では鉄人金本の引退を惜しむ声がうずまき、地元の大阪の繁華街ではねぎらいの言葉が続いた。
【東京・虎党店での声】
東京の虎ファンが集まる中野区の居酒屋「若虎」では、お客が突然の引退に驚きを隠さなかった。「阪神ファン以外はご遠慮ください」という店で、常連の会社員の男性(41)は「そろそろ後進に道を譲らないと、と本人も思っていたんだと思う。これでよかったんじゃないですか」と決断をたたえた。
先月、大阪から東京へ転勤してきたという男性(38)は「地元の広島から阪神へ来てくれて、阪神のために頑張ってくれた」と感謝する一方で「何で東京の人は、もっとびっくりせえへんのか、不思議やった」と、東京での温度差の違いに戸惑い顔。主婦(40)も「ついに来たかと思った。引退試合はあるんでしょうか」と最後の勇姿に思いをはせていた。
また、同・秋葉原の串かつ店「おかげさん」でも、阪神ファンが金本談議に花を咲かせた。ファンにとって金本は“強いタイガース”の象徴で、FAで移籍して03、05年にチームを優勝に導いた功労者に、店長の男性(58)は「ありがとうの一言やね。これまで阪神の選手は地元でちやほやされて、あんまり練習しないのもいたけど、すごい練習をして若手の手本になってくれた。タイガースを変えてくれたと思うよ」と思い入れたっぷり。
お客からは「新井をいじったりして、めちゃくちゃ楽しませてくれましたよ」とムードメーカーとしてのアニキをたたえる声も上がったが、男性は「まさか、あのアニキが泣くとは思わなかったねぇ。ようやく解放されたってことかな」と、ねぎらう気持ちも忘れなかった。