吉永小百合作品、映画館がない島で上映
女優・吉永小百合(67)の最新主演映画「北のカナリアたち」(11月3日公開)が、撮影地となった北海道・利尻島と礼文島で“公開”されることが22日、分かった。
配給の東映関係者が明かしたもので、11月3、4、5日に利尻島で、6、7、8日に礼文島で上映される。映画館がない両島で、最新作が上映されるのは初。この日、さいたま市でトークイベントに出演した吉永は、原案の湊かなえ氏(39)とともに利尻山に登山することを約束。作品同様に“凱旋”することを誓った。
映画館のない2つの島で、吉永の熱演が全国と“同時”に見られることになった。利尻島では公開初日の3日から、礼文島では6日から「北のカナリアたち」が上映される。2島は通常の映画上映施設がないため、札幌と青森から公民館に機材を持ち込む。これまでも映画の上映はあったが、最新作は初めて。通常、公開中の作品が映画館以外の場所で上映されるのは異例のことだ。
昨年12月から撮影場所となった2島に対する感謝の思いが上映の決め手となった。利尻島は人口約5400人、礼文島は約2900人。両島とも海が荒れると北海道からのフェリーの定期便が欠航してしまい、コンビニの食料が品薄になることもある。日本人が住む最北の離島、礼文島は信号機が1つだけ。それぞれ3日間で大きな利益が出る可能性は低いが、東映サイドは「お世話になった2島の方々に全国のファンに遅れることなく映画を見て欲しい」と“公開”を決定した。
冬場はマイナス11度の吹雪の中で撮影に挑んだ吉永も島への愛は同じだ。この日は撮影に協力したアウトドアブランド「モンベル」のイベントで、2島の自然の美しさをアピール。撮影終了直前には礼文島内をトレッキングし、礼文うす雪草(エーデルワイス)を観察したそうで「かれんな花でした。思い出にずっと残っています」と振り返った。登山好きの湊氏とは映画の大ヒットに合わせて利尻山に登ることを約束。「湊さんの強じんな力についていきます」と笑顔を見せ、島に“凱旋”することを誓っていた。