たけし節全開、1番の悪はテレ東と…
北野武監督(65)が6日、都内で最新作「アウトレイジ ビヨンド」の公開初日舞台あいさつを行い、「1番の悪は(製作の)テレビ東京と(配給の)ワーナー・ブラザース」と断言した。やくざの抗争を描いた同作はほとんどの登場人物が悪人だが、散々、PRに駆り出した製作サイドをそれ以上の悪人にしてしまった“たけし節”に会場は大爆笑。作品の内容とは裏腹に笑いの絶えない初日となった。
「全員悪人 完結。」のキャッチコピー通り、最初から最後まで悪人が次々と登場する「アウトレイジ ビヨンド」。しかし、北野監督が最も悪いと指摘したのは登場人物ではなかった‐。
司会者から「この作品で1番悪いのは誰?」と質問された北野監督は「テレビ東京とワーナー・ブラザースです」とニヤリ。やくざの抗争を描いた同作では西田敏行(64)、三浦友和(60)、加瀬亮(37)ら普段はいい人を演じることの多い俳優も目を血走らせながら悪役を熱演しているが、北野監督は、製作サイドを“巨悪”に仕立て上げた。
人のいい俳優陣が公開前に作品のPRのために慣れないバラエティー番組に出演を“強要”されたと指摘。「やくざ映画の宣伝で、(俳優が)こんなにお笑いをしなきゃいけないのかと申し訳なかった」と製作サイドに成り代わって頭を下げた。自身も製作サイドであるはずの北野監督の変わり身の早さと、見事な責任転嫁ぶりに場内は大爆笑となった。
壇上ではお笑いタレントの本領を発揮した北野監督だが、ヒットへの野望も忘れていなかった。映画は、手の込んだ残酷なシーンが話題となった前作「アウトレイジ」(2010年)の続編だが、暴力シーンはやや控えめ。その効果もあって客席には女性の姿も多かった。北野監督は「女の人も楽しめるように作ったつもりです。また来てください」としてやったりの表情だった。
製作サイドを悪役に仕立て上げながら、自身はちゃっかり女性客へアピール。1番の悪は北野監督なのかもしれない…。