橋下「朝日系列の質問には答えません」
日本維新の会代表の橋下徹大阪市長(43)は17日、「週刊朝日」が自身の出自に関する記事を掲載したことを「血脈主義、身分制に通じる極めて恐ろしい考え方だ」と批判し、今後は朝日新聞と朝日放送の記者の質問に答えない意向を示した。同時に「社としての考え方をきちんと示してほしい。僕も生身の人間だから許せない」と述べ、18日の市長定例会見後の取材機会などで掲載理由を説明するよう求めた。
橋下氏は「僕の人生の過程は丸裸にされてもやむを得ないが、先祖を徹底的に調査して暴き出すのは一線を越えている。僕の子供、孫にも影響する」と指摘。「僕はヒトラーだとか言われているが、それこそナチスの民族浄化主義につながるような非常に恐ろしい考え方だ」とも述べた。
朝日新聞に対して「先祖によって全てが規定されるということが前提の新聞社だと宣言してもらえれば、その前提で僕も付き合う。議論させてもらいたい」と述べ、見解を公式に示すようあらためて要求した。
一方で「言論の自由は最大限保障されるべきで、民主主義国家で報道機関ほど重要な機関はない」とも語った。
日本維新幹事長の松井一郎大阪府知事は報道を批判しながらも、朝日新聞と朝日放送の取材に関し「市長の代わりに受ける」と応じる意向を示した。
週刊朝日を発行する朝日新聞出版は、朝日新聞出版本部が分社化され2008年に発足した完全子会社。広報担当者は「朝日新聞社や朝日放送は別会社。同誌を含め、当社の刊行物は当社が責任を持って独自に編集している。今回の記事は、公人である橋下徹氏の人物像を描くのが目的だ」とコメントした。
週刊朝日はノンフィクション作家佐野眞一氏と取材班による緊急連載で「ハシシタ 救世主か衆愚の王か 橋下徹のDNAをさかのぼり本性をあぶり出す」と題し、橋下氏の出自に関する記事を掲載した。