橋下市長、朝日を延々84分“口撃”
日本維新の会代表の橋下徹大阪市長(43)は18日、大阪市役所での定例会見後に、自身の出自に関する連載を始めた週刊朝日と、出版社の親会社にあたる朝日新聞を84分間にわたって糾弾した。実父の出自などにも踏み込んだ記事内容に「便所の落書きなどとはわけが違う」「言論の自由の一線を越えている」と主張。非公開面談を希望する週刊朝日に「卑きょうだ」と定例会見の場に出てくるよう求め、朝日新聞の見解も徹底追及する姿勢を示した。朝日の取材は今後も拒否するという。
怒りは簡単に収まらなかった。「日本社会のルールを無視している!」「無知の集団だ!」。市政などに関する定例会見は約30分間で終了。この日ばかりは「第2部」が本題だった。
橋下市長の朝日新聞、週刊朝日への追及は“1部”の約3倍、84分間に及んだ。会見に出席した朝日新聞記者には「社としての見解」を要求。この場では難しいという趣旨の回答に、「ならば言論人としてどう思うのか?」と激しく迫った。
週刊朝日による、ノンフィクション作家・佐野眞一氏と取材班による緊急連載「ハシシタ 救世主か衆愚の王か 橋下徹のDNAをさかのぼり本性をあぶり出す」と題した記事。育てられた記憶がない実父の出自や経歴などにも踏み込んだ記事内容に、橋下市長は「公人なら一定の範囲で暴かれるのは仕方ないとは思うが、僕の人格否定をDNAに求めるのは極めて危険な思想だ」「人間の生まれてからの個人の努力を全否定する、出自で人間を否定するのが朝日新聞の考え方なのか」と猛烈に糾弾した。
週刊朝日を出版する朝日新聞出版は前日に「朝日新聞は(週刊朝日と)全く別の報道機関」との見解を示していたが、橋下市長は「100%の子会社。その活動に金を出している。それが認められるなら、トンネル会社、子会社をつくってやりたい放題になる」と反論。さらに「思想が違うなら(週刊朝日への)出資を引くべき。朝日新聞グループは差別を認める団体だと認識して対応したい」と譲らなかった。
また、橋下市長は、週刊朝日側から非公開の面会を求められたことを明かし「書くだけ書いておいて、コソコソとクローズで会おうなんて卑きょう極まりない。この場に出てきていただきたい」と、定例会見でのみ面会に応じる姿勢を示した。
一方で17日に、朝日新聞とともに取材拒否を明言した朝日放送に関しては「資本関係など、グループの位置付けを考えたら無関係と分かった」とし、質問に応じる考えに転じた。