三谷映画、最新作は役所勝家&大泉秀吉
織田信長亡き後の天下の行方を決めた会議を描いた三谷幸喜監督の最新映画「清須会議」(来年秋公開)で、主人公・柴田勝家を俳優・役所広司(56)、対立する羽柴秀吉を大泉洋(39)が演じることが21日までに明らかになった。
三谷監督が都内で発表した。心理戦を繰り広げる2人を軸に、佐藤浩市(51)、西田敏行(64)、妻夫木聡(31)、鈴木京香(44)、中谷美紀(36)、剛力彩芽(20)らがズラリ。三谷監督初の時代劇を華やかに彩る。
三谷最新作に豪華キャストが顔をそろえた。織田信長(篠井英介)が本能寺の変に倒れた後の体制を織田家重臣たちが決めた「清須会議」。三谷監督はこの“血の流れない戦”で火花を散らした柴田勝家に役所を、羽柴秀吉に大泉を指名した。
愚直な勝家と根回しの秀吉。対極のキャラクターを演じる2人は撮影に臨む姿勢も対照的だ。映画では「THE有頂天ホテル」(06年)以来の三谷作品出演となる役所は「久しぶりの参加、とても楽しみです。愛すべき男、勝家を楽しんで演じたいと思います」と余裕たっぷり。一方の大泉は舞台「ベッジ・パードン」(11年)などで三谷演出は経験しているが、映画は初で「大役を演じることに大変緊張しています」とプレッシャーを感じている。
三谷監督自身は2人に容赦ない演出を付けるつもりでいる。「勝家は汗臭くして、できれば耳毛も伸ばしてほしい」と早速、役所にムチャぶり。大泉にも秀吉=猿をイメージした大きな耳を付けることを決めている。
2人以外にも「外国の人が見ても一目で関係が分かるように」と信長の親族は全員が特殊メークで篠井とおそろいの鼻の形にする予定。信長の次男・信雄を演じる妻夫木に至っては、まるでバカ殿のような間抜けなキャラクターにされてしまうという。
得意のコメディー部分はしっかりと残っているものの、物語は勝家と秀吉を軸にした息詰まる心理戦がメーンとなっている。11月のクランクインを前にまずは「どの場面を見ても、知ってる人がいる」と満足のキャスティングを成功させた三谷監督。ベテラン、若手などに関係なく、全員を“三谷マジック”に巻き込むつもりだ。