桑名正博さん力尽く…闘病104日目

 7月15日に脳幹出血で倒れ、闘病生活が続いていたミュージシャンの桑名正博さんが26日午前11時44分、心不全のため入院先の大阪市内の病院で死去した。59歳。桑名さんは今年デビュー40周年を迎え、精力的にライブ活動に打ち込んでいた最中に、病に倒れた。当初は医師から厳しい所見が伝えられる中、強いハートで病と闘い続ける桑名さんを、家族が懸命に看病し、友人、ファンも奇跡を祈り続けた。しかし闘病104日目に力尽きた。

 いま一度、人々の心に染みこむ歌声がステージに帰ってくる日を誰もが願った。豪快で破天荒だったが、気さくで面倒見がよく、皆に愛された桑名さん。家族、友人、ファンの激励に応えるように、104日間、懸命に病と闘い続けた。だが意識は戻らず、26日朝に急激に血圧が低下。入院先の大阪市内の病院で妻栄子さんにみとられ、静かに息をひきとった。午後に桑名さんは同市内の桑名家ゆかりの寺に安置された。

 桑名さんは今年7月15日未明、大阪市内の自宅で突然倒れ、救急搬送。手術困難で病状は当初1日持つかも分からない厳しいものだった。

 桑名さんのスローガンは「人類の最終兵器 それはアンタの心(ハート)やで」。歌を通じて訴え続けたこの言葉どおり、病と闘い続けた。家族はそのハートが奇跡を起こすと信じ看病を続けた。入院中は内田裕也、上田正樹ら歌手仲間や、桂文枝ら、多くの友人が見舞いに駆けつけた。もんたよしのりは「これも桑名の人徳や」と語った。

 この日、桑名さんの訃報を受け、名古屋から駆けつけた長男でミュージシャンの美勇士(31)は「父は十分、奇跡を起こしました。これが伝説になってくれれば」と気丈に話した。

 桑名さんは、デビュー40周年を迎える今年、ハードな日程で音楽活動を展開。還暦を迎える来年までの計100本ライブの開催を目標に、半分を終えたところだった。倒れる直前もライブの打ち合わせをしていた。昨年から原田芳雄さん、安岡力也さんら、長年の仲間の他界が相次ぎ、「生きているうちに」との思いが強かったという。仕事をセーブするよう心配する家族には「俺には命懸けで伝えないといけないことがある」と答えたという。

 一方で年齢のせいか、離婚した元妻アン・ルイスのことを思い出し、「アンを愛していた」と漏らすようになっていたという。

 15年前から若手ミュージシャンを育成する学校を設立し、生徒とギター演奏するなど人生を音楽にささげた。チャリティーライブを開催するなど慈善活動にも熱心だった。仲間とは還暦後にミュージカルを上演する計画も立てていた。夢をまっとうするには、短すぎた59年の生涯だった。

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