文枝、藤本さん「追悼落語作りたい」
作家で司会者の藤本義一さんが30日に死去したことを受け、藤本さんの地元・関西を中心に、親交のあった多くの芸能人らが31日、死を悼んだ。落語家・桂文枝(69)は、藤本さんの遺体が安置されている兵庫県西宮市の公益社西宮山手会館へ弔問に訪れ、涙ぐみながら「追悼落語を作りたい」と言葉を絞り出した。
訃報に接した文枝は、仕事の後、藤本さんの遺体のそばに駆けつけた。「おひげがとっても長くなっていて…。ヨーロッパの騎士のようなお顔でした」と神妙な表情で振り返った。
最後に会ったのは6月下旬だった。思い入れの強かった『三枝』との別れに迷いがあった時期に、藤本さんから「男は振り向くな すべては今」と書かれた色紙を贈られ、その後お茶を飲んだという。「おやせになっていたけど、元気そうでした」と当時を回想すると、涙ぐみながら「文枝という名に迷いなく、自信と誇りが芽生え始めたのも先生のお言葉のおかげです」と感謝した。
藤本さん原作のテレビドラマ「蛍の宿」で主役の織田作之助を演じたことを「勲章です」とし、「『織田作之助』を(題材とした)落語にして。追悼落語をしたい」と思いを吐露。また、小説を書く相談もしていたといい、「『文字を少なくしなさい』など色んなアドバイスをもらった」と明かした。文枝は1日に営まれる通夜にも参列予定という。