藤本義一さんの通夜 松居一代号泣
10月30日に肺炎のため79歳で死去した直木賞作家で司会者の藤本義一さんの通夜が1日、兵庫県西宮市内で営まれ、落語家の桂文枝(69)、タレント・西川きよし(66)ら800人が参列した。
藤本さんが司会を務めた人気番組「11PM」でデビューした女優の松居一代(55)は「先生の言うとおり、もう泣かへんよ。がんばるからね」と言いながらも号泣。デビューから34年、松居が苦境に立たされた時は必ず「泣いたらアカン」と電話があったといい、約15年前、自宅の天井が抜け落ちるトラブルに見舞われた時も「お前はええなあ。ネタが天井から落ちてくんねんから。このネタでしばらく生きていけるやろ」と励まされたそう。船越英一郎と再婚した際、船越に「ヤンチャで子連れですが、よろしくお願いします」と父親のように頭をさげてくれたという。
遺影は5年前に撮影したサングラス姿のショット。祭壇にはサングラスや缶入りの「ピース」のたばこ、直木賞受賞作「鬼の詩(うた)」などが置かれ、棺には愛用の革のロングコートがかけられた。53年連れ添った妻・統紀子さん(76)は「やさしくて、とてもピュア。偉大な夫でした」と話した。熱狂的な阪神ファンでもあった藤本さん。桂文枝は「阪神が最後の最後に(ドラフトで)藤浪君を引き当てましたよ。来年の阪神の優勝を先生は見られないけど、僕が代わりに見届けます」と目を赤くしながら藤本さんによびかけていた。