藤本義一さん葬儀…浜村淳別れを惜しむ
10月30日に肺炎のため死去した直木賞作家で司会者の藤本義一さん(享年79)の葬儀・告別式が2日、兵庫県西宮市内で営まれた。幅広い交友を物語るように、パーソナリティーの浜村淳(77)やロック歌手・内田裕也(72)、タレント・赤井英和(53)ら1000人が参列。ダンディーで気品に満ち、優しかった人柄をしのび、藤本さんに最後の別れを告げた。
人をわけへだてせず、優しく接した藤本さん。葬儀には人柄を慕った多くの友人が駆けつけた。
藤本さんが司会を務めた番組「11PM」で共演し、公私にわたり親交があった浜村淳。自身も饒舌(じょうぜつ)だが、藤本さんと飲みに行くと決まって聞き役だったという。藤本さんの語り口調はユーモアと含蓄にあふれていたといい、浜村は「嫌みのない、楽しい皮肉もあり、聞いてるだけで楽しかった」と振り返った。「11PM」では藤本さんが浜村氏に振る際の決まり文句が「2歳年下の浜村さん、お願いします」だったことを懐かしみ「2歳年上の藤本先生、早すぎます」と別れを惜しんだ。
藤本さんの交友関係は広く、映画関係の仕事をきっかけに30年近い付き合いがあったことを明かした内田裕也は「シャープな作家でかっこよく、ジャズっぽい人だった」。10月30日に葬儀委員長として歌手桑名正博さん(享年59)を見送ったばかりで、友人の相次ぐ死去を「もうフラフラ。さすがのロックも参っちゃうよ」と嘆いた。
面倒見の良さにも定評があった。大阪・浪速高の後輩・赤井英和は現役ボクサー時代に藤本さんが試合の応援に駆けつけてくれたこと、引退後は著書の帯書きで支援してくれたことなどを感謝した。
多くの友に惜しまれながら、藤本さんは旅立っっていった。