東日本大震災の復興支援を目的に、今年１月に１６年ぶりに再結成した５人組女性バンド・プリンセスプリンセスが３日、仙台市の仙台サンプラザホールでコンサートを行った。単独公演は、１９９６年５月３１日の東京・日本武道館での解散コンサート以来、６０００日ぶり。プリプリは被災地の２４００人のファンを前に「Ｍ」、「Ｄｉａｍｏｎｄｓ」など２０曲以上を熱唱し、思いを届けた。１２月２４日の東京ドームまで８公演を行い、収益の全額が復興支援のために寄付される。

　プリプリが、東北のファンに“完全復活”した姿を届けた。５人だけのステージは、解散ライブからちょうど６０００日。復興支援を目的にした再結成だっただけに、特別な１日となった。

　懐かしいシルエットが浮かび上がると、会場は総立ちになった。「カオリ～！！」、「おかえり～！！」。５人は激しいジャンプで迎えられ、絶叫に近い歓声がこだました。フリフリのドレス姿の岸谷香（４５）は、客席に「見た目、ヤバイ？」とニヤリ。５人の平均年齢は４７歳で、岸谷は「（この格好は）人生最後。（小学生の）娘にみられたらどうしよう」と話し、笑いを誘った。

　昨年３月１８日に岸谷がメンバーに宛てたメールをきっかけに交流を再開した。被災地のためにと、今年１月に復活を発表。４月には、震災の被害が激しかった名取市の閖上地区と、石巻市を５人で訪れ、被害の様子をまぶたに焼き付けた。抱いた思いをこの日の２時間半にぶつけた。

　岸谷、今野登茂子（４７）、富田京子（４７）の３人は子育て奮闘中。「なかなか大変なんだよ」と岸谷は家事と音楽の両立の難しさを吐露。昨年７月１日から始めた練習は、今年に入り週２回に増えた。それでも、家事に影響しないよう練習時間は午前１０時から午後４時までにしている。

　１６年の空白を感じさせない全力のステージだった。中盤には客席から「紅白は？」との声が飛び、大きな拍手が起きた。岸谷は「何も聞いてないけど…。１回も出てないし…。もし出ることになったら、仙台で大きな拍手があったことを心に留めておきます」とうなずいた。活動期間は今年限りと決めている。仙台でパワーをもらった岸谷は「昔のままのプリプリをお見せする」と残り２カ月の完全燃焼を誓った。