華原朋美5年ぶり復帰「最後のチャンス」
度重なる奇行の末、2007年6月に薬物の過剰摂取などを理由に所属事務所を解雇された歌手・華原朋美(38)が、5年ぶりに芸能活動を再開させることが23日、分かった。
復帰への熱意で、同じ事務所からの出直しを許可された華原は、直筆コメントに「最後のチャンス」と強い思いをつづった。復帰後の初仕事として、12月5日にフジテレビ系「2012FNS歌謡祭」(後7・00)に生出演し、かつてのヒット曲を披露するという。
もう失敗は許されない。「I‘m proud」などのヒット曲で一時代を築きながらも、奇行の末、表舞台から姿を消していた華原の、芸能活動再開が正式に決まった。長い空白で、自身の立場を思い知る38歳は、直筆コメントに「最後のチャンスだとも思っています」と復帰にかける思いをつづった。
99年1月、自宅でガス中毒となり倒れて以降、奇行が目立つようになり、07年6月、薬物依存症などを理由にプロダクション尾木を解雇された。あれから5年‐。それでも、歌をあきらめられなかった華原は、尾木徹社長に対し、今年9月ごろから復帰を直談判していた。心から訴えかけた熱意が実って“許し”を得たため、異例の出戻りで、12月1日付で同事務所に再び所属することになった。
「世の中で苦しみ悩んでいる人たちのお役に立てないかと思うようになり、その思いを尾木社長にぶつけたところ、お許しを頂くことが出来ました。私には歌うことしか出来ません」。報道各社に寄せた直筆コメントは、いまの気持ちのすべてだった。
正真正銘のラストチャンスになる。事実上、芸能界引退の状態になってからも、09年1月と10年8月に、薬物摂取が原因とみられる緊急搬送騒ぎを起こしていたが、最近は心身ともに安定。関係者によると、華原は10年8月ごろに家族とフィリピンへ渡り、ボランティアに従事した。昨年11月に帰国した後は、日本の介護施設で働いていたという。現在は、薬物依存の傾向は見られなくなっているといい、ボイストレーニングや体力作りに励んでいる。
12月5日、“歌”への思いを閉じこめていた5年間の封印を解く。06年7月以来となる新曲の発売は未定のため、「FNS歌謡祭」では、過去のヒット曲を待ってくれたファンに披露する予定だ。覚悟を決めて臨む芸能界復帰。“お騒がせ”のイメージを払しょくし、歌姫の輝きを取り戻すための日々が始まる。