香川照之 声を絞り出し「言葉ない」
歌舞伎俳優の中村勘三郎さんが5日、急性呼吸窮迫症候群のため57歳で死去した。
東京都文京区の自宅には5日早朝から夜まで、幅広い交友関係を物語るように各界からの弔問客が相次いだ。2人の息子や、姉で女優の波乃久里子(67)の住居もある自宅前には、70人以上の報道陣も集まった。
弔問客によると、リビングのふとんで安らかに横たわる勘三郎さんのそばには、大勢の仲間から届けられた花と大好きだったワインやビールが供えられた。午前7時過ぎには中村獅童(40)が到着。弔問客の対応に追われる家族にかいがいしく手を貸していたという。
6月に市川中車として歌舞伎デビューした俳優の香川照之(46)は、父の市川猿翁(72)、長男の市川團子こと政明君(8)とともに訪問。悲しみの対面を終えた香川の目は真っ赤で「言葉はないです…スミマセン」と、震える声を絞り出した。
梨園からは松本幸四郎(70)、中村吉右衛門(68)、尾上菊五郎(70)、市川海老蔵(35)や妻の小林麻央(30)らが弔問。公私にわたって親交の深かった落語家・笑福亭鶴瓶(60)も昼と夜、2度に渡って訪れて悲痛の表情を浮かべた。三笠宮彬子さま(30)も約2時間滞在されて別れを惜しまれた。
坂田藤十郎(80)の妻、扇千景元参院議長(78)は京都・南座で勘九郎と七之助の舞台を見届けてから駆けつけ「とにかく2人が頑張ってますので、せめてノリちゃん(勘三郎さん)に『子供2人が頑張ってるよ』と声を掛けに来ました。(再開する)来年の歌舞伎座では、お父さんの分まで頑張ってくれると思います」と涙をこぼした。