宮沢、米倉も悲嘆「光を与えてくれた」

 歌舞伎俳優の中村勘三郎さんが5日、急性呼吸窮迫症候群のため57歳で死去した。演劇仲間や関係者が悲しみのコメントを出した。

 歌舞伎俳優・坂田藤十郎「非常に驚いております。来年四月の歌舞伎座こけら落としを楽しみにされていたと聞いておりました。ご一緒することが叶わず残念でなりません。もっともっとお元気でいてほしかったです。勘九郎さん、七之助さんご兄弟の活躍を応援していきたいと思っておりますので、皆様方にも温かく見守っていただきたいです。ご冥福をお祈り申し上げます」

 歌舞伎俳優・市川團十郎「(勘九郎襲名の)晴れの舞台に出演したかった無念さを思うと言葉にし難い。のりちゃん(勘三郎さんの愛称)は、しめっぽいのが嫌いな男。勘九郎と七之助はこの試練を乗り越えて襲名披露公演を華やかに打ち上げることが何よりのことと思う」

 歌舞伎俳優・坂東玉三郎「お客さまが劇場に足を運んでくれることを第一に考えていた。あの人の人生は芝居しかなかった。人を魅了する大きな力があって、それが無くなってしまったことは残された私たちにとって大きなことです。歌舞伎界も困難な歴史になると思うが、残された私たちが最大を尽くすしかない」

 歌舞伎俳優・坂東三津五郎「本人にとっても、ご家族にとっても、歌舞伎界にとっても、そして私にとっても、絶対に起きてはいけないことが起きてしまったというのが実感です。小さい頃から、同学年で彼が先頭を立って走ってきたから、僕もそれに遅れまいと頑張ってきたおかげで今の自分があります。今は、もう二度と同じ舞台に立てないのかと思ったら、自分の人生の半分をもぎとられたような気持ちです」

 元首相・海部俊樹氏(中村屋後援会会長)「人間としてほのぼのとしたものを持っておったので、こういう人が成長すると日本の歌舞伎もうんと変わってくると期待したことを思い出しました。彼は正義感があり、正義に反することには体を震わせて怒っていた。つらいとき、苦しいときはちゃんと激励してくれた」

 演出家・野田秀樹氏「同じ年の生まれで、歌舞伎の世界と現代劇の違いはありましたが、いつも二人三脚のような気持ちでいました。彼がかならず隣で走ってくれていました。かなしい、さみしい、つらい、ありとあらゆる痛切なる言葉を総動員しても、今の気持ちを表現する言葉が見つかりません」

 女優・宮沢りえ「私に浮かぶ言葉では表せないくらい、残念でなりません。人間として表現者として、本当に、最高にチャーミングな生き様を魅せ続けてくださった勘三郎さんの存在は、いつまでも私たちに光やエネルギーを与え続けてくださると信じています」

 女優・米倉涼子「どんな時にも前向きに全身全霊で立ち向かい、目標に向かって二百パーセントで生きてらっしゃる勘三郎さんに、私はお芝居の挑戦者として深く影響を受けた一人です。私の父と一緒で、とにかく早すぎるお別れに言葉がありません。心よりご冥福をお祈り申し上げます」

 女優・藤原紀香「この度はご愁傷さまです。勘三郎さんの舞台を拝見させていただくたび、その圧倒的な存在感と世界観に感動を覚えました。そして楽屋でのきさくな笑顔は一生忘れられません。心よりご冥福をお祈り申し上げます」

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