自民“バラの花園”5年ぶり安倍首相へ
第46回衆院選は16日に投票、即日開票された。自民、公明両党は合わせて300(過半数241)を超える議席を獲得し、約3年3カ月ぶりに政権を奪還するのが確実となった。参院で否決された法案を衆院で再可決できる計320台をうかがい、圧勝する勢い。今月26日にも特別国会が召集され、安倍晋三総裁(58)が第96代首相に選出。07年以来5年ぶりに総理の座に返り咲くことになったが、前回の政権交代とは違い熱狂なき圧勝だった。民主党は、100議席を割る大惨敗となり、野田佳彦首相(55)は党代表辞任を表明した。
自民党本部が“バラの花園”になった。午後8時の開票と同時に、テレビ各局は特番で「自民圧勝」「単独で過半数獲得」というテロップを表示。8時40分には石破茂幹事長が会見場に姿を見せ「待ちきれない」といった様子で、予定より早く、壁の候補者ボードに当選を示すバラを付け始めた。
総裁室に待機していた安倍総裁は、9時50分に会見場に姿を見せると、菅義偉幹事長代行、細田博之政務会長ら幹部から大きな拍手を浴びた。石破氏とガッチリ握手。勝利をアピールすると、いそいそとバラ付けを開始した。続々判明する当選者に“勝利の儀式”はなかなか終わらず、お祭りムードは加速していった。
1948年の第2次吉田茂内閣以来、64年ぶりの返り咲き首相が誕生する。今月25日にも特別国会が召集され、安倍総裁は第96代首相に選出される。安倍氏は会見で「経済、外交、安全保障と課題は山積み。しっかり政策を実現していきたい」と早くも首相の顔を見せた。
政権を放り出した失敗は繰り返さない。06年に就任した前回は、07年7月の参院選で惨敗後、持病の潰瘍性大腸炎を悪化させ、内閣改造直後、わずか1年で辞任した。今回の選挙戦中にも体調面の不安を追及されたが、各党党首では最多の28都道府県を遊説。復調をアピールした。
「自民党への信頼回復というより、3年間混乱を招いた民主政権に対するNO。おごることなく政策を実現していきたい」と神妙な表情を見せた安倍“新首相”。これからは指導力が問われていくが、まずは、その前に昭恵夫人が今年10月、都内にオープンした居酒屋で祝杯をあげるのだろうか。