橋下氏、「維新」3人目逮捕者で陳謝
日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長(43)は21日、大阪市役所での会見で、衆院選の同党候補者陣営から公職選挙法違反による逮捕者が続出している問題に対し「そらもう大問題です。大変申し訳ない」と陳謝した。この日、3人目の逮捕者が出る事態となり、橋下氏は候補者本人に法的処分が及ばない場合でも党内処分を下すことを明言。来夏参院選に向けた気炎もあげたが、身内の不祥事に足を引っ張られ、頭を下げまくるしかなかった。
衆院選を終えて次なるステージに向けて橋下節をさく裂させるはずの定例会見が、ションボリモードのおわび会見となった。「若い政党ゆえに管理が甘かった」「党としてしっかり反省しないといけない」。さすがの橋下市長も、苦々しい表情で頭を下げ続けるしかなかった。
維新をめぐっては京都府警が18日に落選候補の運動員を、20日には大阪府警が比例近畿ブロックで復活当選した“浪速のエリカ様”こと上西小百合氏=顔写真=の運動員を逮捕。さらに21日には、比例四国ブロックで復活当選した桜内文城氏の運動員が愛媛県警に逮捕された。いずれも別の運動員に選挙活動の報酬の約束をしたり、実際に支払った容疑。
この日、公務のため3人目の逮捕を知らなかった橋下市長は「えっ!?それは初めて聞いた」と絶句した。上西陣営の運動員も、桜内陣営の運動員も、当選が無効となる連座制適用対象の選対幹部ではないが、橋下市長は「知らなかったではすまされない」と発言。党として調査を行い、候補者本人に法的処分が科されないケースでも、除名を含めた厳しい党内処分を行う姿勢を示した。
来夏参院選に向け、地方首長が参院議員を兼務できるよう法改正を訴えている橋下市長に対し、自民の三原じゅん子参院議員らが「首長の仕事ってそんなに楽なのか」と批判の声を上げている。橋下市長は「今の国会は明治時代なのかと思うくらい、だら~っとした空気」「あんな国会議員たちでは、規制緩和もへったくれもない」と反論する一幕もあったが、いつもの切れ味はなかった。