歌手の安室奈美恵（３５）が２１日、東京ドームで１５年ぶりとなる５大ドームツアーの最終公演を行った。デビュー曲「ＴＲＹ　ＭＥ～私を信じて～」を１５年半ぶりに披露したのを始め、ファンから募ったリクエスト上位２５曲をすべて含む３０曲をノンストップで熱唱。“デビュー２０周年パーティー”に５万人のファンも酔いしれた。

　自身初のミリオンヒットとなった思い出の曲で、記念のステージの幕は上がった。

　安室がステージ中央上段に登場し「Ｂｏｄｙ　Ｆｅｅｌｓ　ＥＸＩＴ！」と声を張り上げると、うなるような歓声がドームを包んだ。そこからは「ＣＡＮ　ＹＯＵ　ＣＥＬＥＢＲＡＴＥ？」など２０年分のヒットパレードとなった。

　ファンへの感謝を込めて、歌唱曲は投票で決定。スーパーモンキーズ時代の曲「愛してマスカット」（９３年）も０４年以来８年ぶりに披露し、ファンを驚かせた。デビュー曲「ＴＲＹ　ＭＥ」は９７年５月以来１５年半ぶりの歌唱。「ａ　ｗａｌｋ　ｉｎ　ｔｈｅ　ｐａｒｋ」では、１５年前の東京ドーム公演での映像を流し、まったく同じパフォーマンスをするなど、遊び心たっぷりに５万人と大合唱を繰り広げた。台風直撃で中止になった９月１６日の故郷・沖縄での凱旋ライブのリベンジを果たした。

　音楽界の記録と記憶を塗り替え続けた２０年だった。１９９２年にスーパー‐としてデビュー。小室哲哉とのタッグでヒットを連発し、トップに上り詰めた９７年にＴＲＦのＳＡＭとの結婚・妊娠を発表。同年の紅白歌合戦では史上最年少でトリを務めた。０２年の離婚後は、テレビ出演も控え、リリースとライブ活動に集中。ボーカリストとしての道を極めた。

　今回のドームツアーは、女性ソロアーティストでは最多の３４万人を動員。来年は台湾、香港、シンガポールのアジア３カ国でのツアーが決定するなど、元祖歌姫の進化はまだまだ止まらない。