勘九郎 紅白審査員「すごく幸せ」
大みそかに放送される「第63回 NHK紅白歌合戦」(後7・15)の審査員などが24日、発表され、歌舞伎俳優・中村勘九郎(31)が審査員を務めることが明らかになった。父・中村勘三郎さん(享年57)を亡くしたばかりだが、勘三郎さんは生前、勘九郎が審査員に決まったことを喜んでいたといい、勘九郎は父への思いを胸に出演する。また、審査員や企画ゲストとして、女子サッカーの澤穂希(34)、女子レスリングの吉田沙保里(30)らロンドン五輪のメダリスト6人が登場する。
勘九郎時代の99年、第50回紅白で白組司会を務めるなど、歌舞伎以外にも幅広く活躍していた父・勘三郎さん。その亡き父を追いかけ、息子の勘九郎が紅白の審査員を務める。
NHKの原田秀樹チーフ・プロデューサーによると、勘九郎には、勘三郎さんがまだ存命だった今年11月に審査員の出演をオファーし内諾を得ていた。紅白には思い入れの強かった父・勘三郎さんも、病床から息子の審査員出演を喜んでいたという。
だが、今月5日に勘三郎さんが死去。NHK側は「四十九日法要も終わっていない中で、出演していただいていいのか」とあらためて勘九郎に確認したというが、勘九郎は「父にゆかりある紅白に審査員として出演できるのは光栄です。ぜひ」と話したという。勘九郎は「父が司会をした、そして大好きだった紅白歌合戦という日本一のお祭りを、すぐ近くで体感できるなんて…!。すごく幸せです」とコメントを発表した。番組内でかつて紅組司会を務め今年11月に死去した森光子さんと勘三郎さんをしのぶコーナーも検討されている。
「今年名実ともに大変な活躍と成果を挙げた方、来年の活躍が期待される方」として勘九郎、国民栄誉賞の吉田ら10人が審査員に選ばれたが、iPS細胞でノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授については「研究で忙しいでしょうし、テレビ出演で研究の邪魔をしてはいけない。人類のためにあえてオファーしなかった」という。