谷村新司（６４）、堀内孝雄（６３）、矢沢透（６３）による３人組バンド「アリス」が１０日、都内で、５回目の活動再開を発表した。

　４月１０日に２６年ぶりのオリジナルアルバム「アリス・イレブン」を発売。５月５日からは４７都道府県を回るコンサートツアーを開催する。１つのツアーで４７都道府県のすべてを回るのは７１年の結成後、初めて。谷村は「懐かしいアリスと新しい今のアリスを感じていただけるステージにしたい」と意気込みを語った。

　長い歴史を重ねてきたアリスが８１年の活動休止後、５度目となる再結成で意外な記録を達成する。３人体制のアリスが発足した記念日の５月５日に大阪フェスティバルホールからスタートするツアー「Ｉｔ’ｓ　ａ　Ｔｉｍｅ」。関係者は「１年間を通して４７都道府県をコンサートで回ったことはあったが、１つのツアーとして回るのは初めて」と明かす。

　結成から間もない７４年に年間３０３公演という記録を打ち立てるなど、全国各地で地道なコンサート活動を通じてファンを増やしていったアリス。結成から４０年が過ぎた今、残されていた金字塔を打ち立てる。

　今回はメンバーが還暦を迎えるタイミングだった０９年に続く再結成。その時は３６カ所４０公演のツアーを決行した。１０年２月の東京ドーム公演では５時間に及ぶライブを披露した。その際、堀内と矢沢から「元気なうちにもう１回やろう」との声があがったこともあり、また、日本が東日本大震災からの復興を目指していることから、昨年８月に３人が集まり再結成を決定。具体的なプランを検討してきた。

　「みんな東日本大震災以降、何が大切か考えた。６０歳を超えた今、何が大切かというメッセージを歌にちりばめていきたい」と谷村。今回は８７年の「アリス・テン」以来のオリジナルアルバムをリリースする。

　コンサートにアルバムの発売と、これまでにない形での“復活”。ツアーの合間には東北での慰問ライブも予定しており、古き良き、そして新しいアリスとして、歌を届けていく。