橋下市長が涙 遺族と2時間面会し謝罪
大阪市立桜宮高2年でバスケットボール部主将の男子生徒=当時(17)=が、顧問の男性教諭(47)から体罰を受けた後に自殺した問題で、橋下徹大阪市長(43)は12日、大阪府内の生徒の自宅を訪ね、家族に謝罪した。
面会後に会見した橋下市長は目に涙を浮かべながら、「僕の考えも前時代的だった」と述べ、スポーツ指導での体罰は暴力であり、不要との考えに至ったことを説明。今後、市教育委員会と協議し、スポーツ指導での暴力行為撲滅に乗り出す考えを示した。
「命を奪ったことに釈明の余地もありません」。この日午後、生徒の自宅を訪ねた橋下市長は、両親や兄と2時間余にわたって面会。「市長である僕の責任です」と家族に謝罪した。
面会後に大阪市内で会見した橋下市長は「家族の皆さんは感情的になることなく、主張をしっかり話されていた」と語った。男子生徒の遺書を見せてもらったといい、内容については明かさなかったが、「母、父、兄に最後の言葉をああいう形で残した姿を想像すると…」と声を詰まらせた。
そのうえで橋下市長は「体罰という言葉が混同して使われている。スポーツ指導における体罰は暴力だ。僕も考え違いをしていた」と、いわゆる日常的な“しつけ”の部類とは切り離して考えるべきとの認識を示した。
これまで自身の高校時代のラグビー部での経験を踏まえ、「頭をはたいたり、尻をけるぐらいは、あるものと思っていた」としていたが、ここ数日の熟慮の結果「考え方を改めないといけない。前時代的で不要」との考えに至ったことを説明した。
プロ野球・巨人などで活躍した桑田真澄氏(44)が今回の問題を受け“体罰不要”を訴えたことも挙げ、「桑田さんのような(その道を)極めた方に言われたら、ぐうのねも出ない」とも語った。
こうした考えも男子生徒の両親に伝えたといい、週明けから市教委との協議で、撲滅に乗り出す考え。橋下市長は「もう一度、頭を整理してから協議しますが、こうと決めたら、やりますよ、これは」と決意を示した。