坂本九さん 全米ヒットの秘蔵映像発見
1963年に「上を向いて歩こう」(米国での曲名は「スキヤキ」)が全米チャートで1位を獲得した歌手の坂本九さんが、大ヒットを受けて同年8月に渡米した際に撮影された映像が12日までに、横浜市にあるTBSの倉庫で見つかった。
当時放送された後、長く行方が分からなくなっていた。米国での人気ぶりをうかがうことができる貴重な映像で、一般公開も検討されている。
映像は同月、TBSが放送した番組「九ちゃんアメリカで歌う」(約25分)。記者が撮影し、坂本さんがナレーションを付けた。米国の人気テレビ番組「スティーブ・アレン・ショー」で歌う坂本さんのステージに熱狂する若者や、遊園地で楽しむ坂本さんの様子も収められている。
今年は同曲が全米1位になってから半世紀を迎えることから、同曲の世界的ヒットを再評価しようと活動するグループ「SUKIYAKI 50 プロジェクト」が映像を捜していた。
一般公開も検討 同曲を作曲した中村八大さんの長男で、プロジェクトの中心的存在の中村力丸さん(49)は「坂本さんのファンをはじめ、広く見てもらいたい」と話しており、何らかの形での一般公開を目指しているという。
ノンフィクション「上を向いて歩こう」の著者で音楽プロデューサーの佐藤剛さん(60)は「節目の時期に貴重な映像が見つかった。終戦から20年足らずの時期に、日本語の歌が米国で受け入れられた事実を再確認できる」と話している。
また、「上を向いて歩こう」が全米チャート1位を獲得して50年になるのを記念して、13日に東京・赤坂BLITZでイベント「海を越えて50年 バラエティ・ショウ『上を向いて歩こう』」が開かれる。
作詞した永六輔さんや元大リーガーの村上雅則さんが出演し、ヒットの裏側や当時のエピソードを紹介。夜には、歌手尾崎豊さんの長男裕哉さんら若手ミュージシャンが出演するステージも行われる。