小山明子 大島監督に「長い間ご苦労様」

 15日に肺炎のため亡くなった映画監督・大島渚さん(享年80)の妻で女優の小山明子(77)が16日、都内で会見し、「私のために1番いい日を選んで(亡くなって)くれました」と心境を語った。小山は最愛の夫を失った悲しみを押し隠して主演舞台「女のほむら」(16~20日、東京・池袋、東京芸術劇場シアターウエスト)の初日公演に出演。終演後、取材に応じ、「(大島さんから)『頑張ってやったんじゃない』って言ってもらえると思います」と思いをはせた。

 小山は、次男で大島渚プロダクション社長の大島新(あらた)氏(43)、葬儀委員長を務める崔洋一監督(63)とともに会見した。

 「舞台げいこの時から危ない状態が続きましたが、病院にも間に合いましたし、自宅にも連れて帰ることもできました」と語った。舞台開幕前日の15日に病院で臨終に立ち合い、大島監督と共に自宅に戻った。その後、午後8時からけいこを行った。夫をみとってから舞台に臨んだ形で「私の中でお別れはできていました」と覚悟ができていたことも明かした。

 大島監督は昨年末から肺炎を起こし、状態は良くなかったが、今年の初めには会話もできたという。小山が「お家に帰りたい?おいしいものを食べたい?お酒を飲みたい?」と尋ねると、「飲みたい」と答えた。翌日、医師の許可を得てお酒で唇をしめらせると、ペロリとなめ喜んだという。旅立った夫に「長い間ご苦労さま。これで大好きなお酒も飲めるし、病気の心配もしなくていいですね」と語りかけていた。

 1996年に大島監督が脳出血で倒れ、小山は女優業を休んで介護に専念してきた。自身も介護うつを患うなど壮絶なものとなったが、「充実してました」と晴れやかな表情を見せた。晩年の濃密な時間を感謝していた。

 「女のほむら」は、大島監督の映画「愛のコリーダ」(76年)で共演した女優・白石奈緒美(77)に誘われての出演だった。20年ぶりの舞台は、まるで自身の気持ちを代弁するかのような内容だった。小山が演じるのは毒婦と呼ばれた実在の人物・高橋お伝。上演前には「夫の治療費を稼ごうと体を売り、献身的に介護する姿は純愛。その生きざまを見せたい」と自身と重ね合わせるように語っていた。

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