幻の裕次郎映画5作品がDVDで甦る
1987年に死去した国民的スター・石原裕次郎さんが主演した「黒部の太陽」(1968年)など5本の映画が、初めてソフトとして発売される。17日、裕次郎さんの妻で石原プロモーション会長の石原まき子夫人(79)と俳優・渡哲也(71)が都内で会見し、3月20日にDVD&ブルーレイBOX「裕次郎 夢の箱‐ドリームボックス‐」を発売することを発表した。これまでビデオやDVDになっていない幻の作品がファンの手元に届くことに、まき子夫人も感無量だった。
スクリーンでしか見ることができなかった裕次郎さんが、初めてお茶の間で見られる。
「夢の箱」に収められるのは「黒部の太陽」、「栄光への5000キロ」(69年)、「富士山頂」(70年)、「ある兵士の賭け」(70年)、「甦える大地」(71年)の5作品。
「黒部‐」や「栄光‐」は大ヒットした裕次郎さんの代表作。その一方で、興行的に失敗し石原プロが負債を抱える原因となった「ある兵士‐」と「甦える‐」も初めてDVD化された。この2作品は公開後倉庫に眠ったままにされていたものだ。
裕次郎さんはこれらの映画を「大きなスクリーンで見て欲しい」としていたため、これまでビデオやDVDには一切なっていなかった。裕次郎さんの遺志には背く形となるが、まき子夫人は「亡くなって四半世紀。テレビも大型化して時勢も変わりました。裕次郎さんも“よくやった”とほめてくれると思います」と胸を張った。
発売の大きな原動力となったのはファンの声だった。まき子夫人は、昨年1年かけ日本全国で「黒部‐」の東日本大震災チャリティー上映を行ってきたが、そのたびにファンから「手元に置いて見たい」と求められたそう。若い世代に見せたいという気持ちもあり、渡らに相談の上、決断した。
5作品は最新技術で映像や音声をクリアによみがえった。まき子夫人のインタビュー、公開当時のパンフレットや記者会見の様子などファン垂ぜんの貴重映像も封入。作品単品での発売も予定されている。
この日は石原プロが設立51年目に突入した記念日。渡は「裕次郎さんが27歳で石原プロをつくり、これだけの映画を作ったことに改めて感服しています」と話していた。