吉永小百合 原爆詩朗読会を京都初開催
女優の吉永小百合(67)が、ライフワークとして活動を続けている原爆詩の朗読会「第二楽章ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ~平和への願いを込めて~」を京都で初開催することが25日、わかった。およそ10年にわたる公演依頼を実現させた形で、ゲストにギター奏者の村治佳織(34)、奏一(30)姉弟を迎え、3月5日に同志社大学寒梅館ハーディホールで行う。
四半世紀以上にわたり吉永が訴え続けてきた平和への願いが、初めて京都の街に届けられる。
吉永が女優活動の傍らでライフワークとしているチャリティー朗読会の活動は、今年で27年目を迎える。
81年にNHKドラマ「夢千代日記」に主演し、体内被ばくによる原爆症に苦しみながらも懸命に生きる女性・夢千代を演じたことをきっかけに、86年からボランティアで活動を開始。核廃絶を訴え各地で公演を開き、11年には英・オックスフォード大学でも音楽家・坂本龍一(61)の演奏とともに朗読を披露した。
京都での朗読会開催は初めてで、京都側からのおよそ10年にわたる公演依頼が、ようやく実を結んだ形となった。
公演では、2011年3月11日の東日本大震災によって引き起こされた福島第1原発事故で、故郷の福島県富岡町を奪われた女性、佐藤紫華子さんがつづった「原発難民の詩」の一節「原発難民」なども披露される予定。「原発‐」に感銘を受けた吉永は、事故以降に行っている朗読会でこの詩を読んでおり、昨年3月に福島市で行われた公演でも披露した。核廃絶の思いと共に、脱原発への願いを込める。
演奏には、ギター奏者の村治佳織、奏一姉弟を迎える。吉永と奏一は初共演。同公演の収益金は、広島平和記念資料館、公益財団法人長崎平和推進協会などへ寄付される。