菊五郎「襲名のとき大立ち回り」逸話披露

 市川團十郎さんが無言の帰宅した東京・目黒区の自宅には、4日未明から澤村田之助(80)、尾上菊五郎(70)、尾上菊之助(35)、中村獅童(40)、市川中車こと俳優の香川照之(47)、小泉純一郎元首相(71)らが続々と訪れ、悲しみの対面を果たした。

 尾上菊五郎は「言葉が見つからないよ。相手役、敵役、兄弟分、色んな役をやりました。つらいですね」と60年来の友人の死に肩を落とした。幼いころから團十郎さん、三代目尾上松緑さん(故人)と3人で旅行に行くなど、公私ともに交流が深かった。「襲名のときに京都で大立ち回りをやって、顔を腫らして舞台に立ったこともあるんです。あれは遺伝ですよ」と海老蔵の騒動になぞらえたエピソードも披露。「おおらかで天真らんまんな人でした。荒事(あらごと=荒々しさを強調した演技や演出、市川家のお家芸)は理性ある人ではなかなかできない」と盟友の死を惜しんでいた。

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