海老蔵、跡継ぎ「抱きたかっただろうに」
市川團十郎さんの死から一夜明けた4日、長男の市川海老蔵(36)が都内の團十郎さんの自宅前で会見した。「彼の子で生まれたからこそ、(歌舞伎俳優として)いられるのかなと思う。本当にありがたいです」と目を潤ませながら父への感謝の気持ちを語った海老蔵は、麻央夫人(30)が来月出産予定の第2子が男児であることを明かし、跡継ぎとなる息子へ團十郎さんの“成田屋魂”を継承していくことを誓った。
志半ばで世を去った父に対し、海老蔵は「彼の子で生まれたからこそ、(歌舞伎俳優として)いられるのかなと思う。本当にありがたいです」と目を潤ませながら感謝した。
父の包み込むような愛情を常に感じていた。2010年11月に東京・西麻布の飲食店で暴行を受けたトラブルの際には、團十郎さんが矢面に立ってかばってくれた。「ぼくがやんちゃでわがままで、わんぱくな部分が多いので、大きな愛で見守ってくれました」と振り返った。
父であると同時に師匠でもあった。時には、周りのすべての人に降り注がれる優しさに、息子として「平等に光を与えるのでたまにジェラシーを感じた」ことも。だが、その生きざまをずっと尊敬してきた。海老蔵は「まだ至らないんですが、父の思いを少しでも受け継げるように、歌舞伎にまい進していこう、精進していこうと思います」とそんな父に恥じぬよう、芸の道を極(きわ)めていくことを誓った。
麻央夫人が来月出産予定の第2子は團十郎さん待望の“跡継ぎ”となる男児。海老蔵は「男の子なんで、父が1番喜んでた。舞台も一緒に出たかったし、抱きたかっただろうに…」と言葉を詰まらせた。江戸時代から300年続く大名跡「市川團十郎」は海老蔵、そしてこれから生まれる第2子へと引き継がれる。
臨終の瞬間には「この世にある思い当たる言葉をすべて」かけたという海老蔵。團十郎さんは柔和な顔で逝ったといい「やっと(病から)解放されたんだと思います」と海老蔵は、自分を納得させるようにうなずいていた。