橋下市長が自ら体罰調査へ…条例案提出
大阪市立桜宮高バスケットボール部の男子生徒が顧問の体罰を受けた後に自殺した問題を受け5日、大阪市では、体罰やいじめが発生した際に市長自ら調査に乗り出すことを可能にする条例案を15日開会の市議会に提出することを決めた。条例が成立すれば、これまでも体罰問題を厳しく糾弾してきた橋下徹市長(43)が、自ら体罰などの調査を行うことが可能になる。市教育委員会の対応に不信感を持つ橋下市長が検討を指示していた。
条例案の素案によれば、市教委など市長部局から独立した機関で問題が発生しても、市長が「法令に違反する恐れがあり、住民の福祉を確保するために必要がある」と判断すれば、自ら調査したり第三者の専門委員に調査を委託したりできると明記する。市長は市教委の事務について指揮命令できないため、学校現場で問題が発生した際に指導力を発揮しにくい状況だった。専門委員の設置条例案の提出も検討している。
市教委はこれまでに医師や臨床心理士、弁護士、警察OBらでつくる第三者専門家チームの設置を決定しており、この日は、桜宮高で停止している全運動部の活動を再開させることを決めた。