海老蔵、成田屋担う!十八番受け継ぐ覚悟
今月3日に亡くなった歌舞伎俳優・市川團十郎さんの長男・市川海老蔵(35)が18日、都内で「三月花形歌舞伎」(3月3~24日、東京・中央区のル テアトル銀座)の製作発表会見に出席した。海老蔵は父を失ったさみしさを押し隠し、自身に長男が生まれることなど歌舞伎界の明るい話題を強調して、前向きな姿勢を見せた。舞台では昨年12月に亡くなった中村勘三郎さんに習った「夏祭浪花鑑」を披露する。
悲しみは封印して、会見に臨んだ。3月末に自身の長男が生まれることをはじめ、4月の新しい歌舞伎座開場、同い年の尾上菊之助(35)の結婚、けがで休んでいた市川染五郎(40)の復活、4月末から5月に中村勘九郎(31)の第2子が生まれることなど、おめでたい話題を羅列。新しく前向きな歌舞伎界を強調した。
「みなさん『さみしいことが多い』とおっしゃいますが、歌舞伎界はこれから新しい時を迎え大きな希望の光がくる。喜ばしいことにも目を向けていただきたいですね」と、自身に言い聞かせるように語った。
團十郎さんの死で、歌舞伎宗家である成田屋(市川家の屋号)を担う立場に立たざるを得なくなった。2月3日以降、これまで感じたことのないような重圧と戸惑いも感じている。しかし「子供の時からいつかこの日が来るということは考えてました。(お家芸の)歌舞伎十八番を受け継ぐ覚悟はあります」と、揺るがぬ決意を表明した。
3月の舞台は当初、父との共演でシェイクスピアの「オセロー」を上演する予定だった。体調不良で舞台延期を決めた父と相談して選んだ演目は「夏祭浪花鑑」。数年前に海老蔵が米アリゾナの別荘に勘三郎さんを訪ねて習った芝居で、相次いで亡くなった名優2人にゆかりの舞台となる。
公演中には“跡継ぎ”が生まれる可能性も高い。海老蔵は「もっと精進して、彼(長男)が背中を見ても恥ずかしくない歌舞伎役者にならないといけない」と、表情を引き締めていた。